ここから本文です

全豪4強、イタリア国際16強。 穂積絵莉/加藤未唯に見えた光と影。【女子ダブルス】

5/22(月) 10:50配信

TENNIS.JP

日本女子ダブルスへの期待

穂積絵莉(橋本総業ホールディングス)加藤未唯(佐川印刷)は今年の全豪オープンで4強になったペア。
日本人ペアとして大会史上初。
グランドスラム大会では2002年フレンチオープンの杉山愛/ 藤原里華ペア以来15年ぶりとなるベスト4進出の快挙を達成した。
岐阜で行われたITFカンガルーカップ、ITFイタリアと2週連続優勝、先週行われたイタリアンオープンでは厳しい1回戦に勝ち16強になった。

イタリアンオープン1回戦勝利の穂積・加藤ペア

彼女たちの次のフレンチ・オープンにおける期待をテニスライターの内田暁に書いてもらった。

穂積加藤ペアの光と影

岐阜のカンガルー国際女子からローマへと続いた連勝街道は、イタリア国際の初戦で強豪ストーサー/ジャン・シューアイ組を破った後に、スレボトニック/スピアーズの老獪さの前に途絶えた。

全豪ベスト4の栄光は、穂積と加藤の二人に、光と影の両方をもたらした。
光はもちろん、自分たちにそれだけの力があるという自信と、大舞台やトップ選手にも物怖じしないだけの場数。
今大会でも、単複両方でグランドスラムタイトルを持つストーサーとの対戦にも、
「ふーん、ストーサーとやるんだ……という感じ」(加藤)と、全く名前負けしない。

現にこの試合での二人は、ストーサーのトップスピンをも封じ込める穂積の強打と、軽快かつ豪快なバックのジャンピングボレーを決める加藤の機動力で6-2,6-4の快勝を手にしている。

一方で光が生んだ影は、成功体験の幻影だ。
特に穂積は全豪のシングルスで、いつも以上に緩いボールを用いて勝った実績に、本来の持ち味である攻撃力を束縛された。
いつの間にか「消極になってしまっていた」プレーは、ダブルスでも顔を出す。
全豪後はWTAツアーはおろか、ITFですら勝ち星に見放される時期が続いた。
「私が思いっきりボールを打ててないので、未唯(加藤)も前で動きにくかったと思う」。
迷いの中で自分のテニスそのものについて考え、コーチ陣とも膝つき合わせ話し合った末に
「私らしい攻撃的なプレー」の原点回帰で再始動したのが、岐阜であった。

その穂積のストロークを起点として、前衛の加藤が自在に舞い快勝したのが今大会の初戦なら、
二人の弱点である“前衛・穂積、後衛・加藤”の陣形を攻められ勢いに乗れなかったのが2回戦。
「わたしたちは波が大きくて。悪い日はITFでも勝てなかったり、でもすごく良いとグランドスラムでも勝てる。
その波をなくすのが、今のわたしたちに必要なこと」。

次のステージに上るための課題を、穂積はそう断言する。
そのための鍵となるのが、「集中力」。
「ミスが続くと(集中力が)切れちゃう。
ミスした時に、もっと早く切り替えなくちゃいけないのかなと思う」と、加藤もパートナーに同意した。

途絶えた連勝街道を、再びつなぐべく進む先は、赤土の季節の集大成であるローランギャロス、全仏オープン。

「クレーでのプレーの自信は?」
そう問われて加藤は、「いいんですけど……イレギュラーが鬱陶しい」とポツリ。

すかさず穂積が「そこはね~、わたしがタッチできるところではないから」とツッコミでカバー。

公私に及ぶこの持ち前のコンビネーションで、パリでも課題克服と上位進出を目指す。

塚越亘、内田暁

最終更新:5/22(月) 10:53
TENNIS.JP