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スバルがランクルサイズSUV“アセント”を日本で販売する可能性

5/22(月) 12:21配信

オートックワン

最上級SUV「アセント」国内販売へ、その可能性の裏にあるトライベッカの存在

今年4月の米ニューヨークモーターショー以降、「新型SUVのアセントを日本でも発売して欲しい」という声が、全国のディーラーやユーザーのあいだで高まっている。当然、こうした声は、営業本部がある東京都渋谷区恵比寿のスバル本社ビル、さらには群馬県太田市の開発本部にも伝わっている。

スバル最大の新型アセントを写真でみる

そのうえで、私は強く言いたい。「スバルは、アセントを日本で売るべきだ!」。

そう言い切れる理由は、スバルがこれまで行ってきた上級SUVへの挑戦を、私自身が長年に渡り肌身で感じてきており、いまこそ日本導入のタイミングであると思うからだ。

新型アセントは、スバルの商品ラインアップで最高峰となる高級SUVで、2018年から北米での発売が確定している。

北米市場を“生業の柱”としているスバルにとって、新型クロストレック(日本での新型XV)、フォレスター、アウトバックと続くクロスオーバー系SUVの、さらに上となるモデルの必要性は以前から指摘されていた。

いや、正確にいえば、アウトバックの上位に位置する、上級SUVとしてトライベッカがあった。しかし、スバルはこの領域について大きな悩みをかかえており、その悩みを象徴するのがトライベッカであった。

スバルがアメリカを目指し始めた頃

時計の針を少し戻そう。

2000年代前半、スバルというクルマは、「変わった商品性が好きな人だけが買うクルマ」または「雪国での生活四駆として買うクルマ」といった商品だった。これは、日本でも、欧州でも、アメリカでも同じだった。そうしたなか、経営戦略で「アメリカシフト」を打ち出し、商品企画の主体もアメリカとした。そのなかで生まれたのが、B9 トライベッカだった。

背が高く大柄なSUVが、低重心の水平対抗エンジン搭載により、スイスイと走る。そんな気持ち良さがアメリカでも受けるはずだ。スバルはそう思った。

私は2005年、北カリフォルニアで開催されたB9 トライベッカ試乗会に参加した。走行ルートはサンフランシスコ市街地を出発し、カリフォルニアワインの産地であるソノマバレーを目指した。

確かに、B9 トライベッカの走りは軽快だった。3リッター6気筒エンジンを搭載しているとは思えぬような、取り回しの良さを感じた。だが、インテリアの質感がイマイチ。当時のスバルとしては、あれが精一杯だった。

そして、なんといっても印象的なのは、フロントマスクだ。スバルの象徴である六連星から左右に大きく羽を広げたイメージ、というデザインコンセプトだった。なんともユニーク、なんとも可愛らしい顔立ちという声がある一方で、「豚の鼻っぽくて変だ」というネガティブコメントも多かったのが事実だ。

あえなく、2年程してビックマイナーチェンジ。「豚の鼻」はなくなり、車両名称もB9がなくなりトライベッカとなった。見た目は、フォードエクスプローラーのような、またはGMシボレー系のような、またはクライスラーのような、なんとも中途半端な雰囲気に成り下がってしまった。

スバルとしては、北米市場向けとして、アウトバック・レガシィを中核として、フォレスターを強化することを第一として、インプレッサがトヨタ カローラのようにアメリカ人の定番Cセグメントになるよう、アメリカ現地の声を徹底的に洗い出して商品改良を続けていった。

そうした日常業務において、トライベッカを根底から造り変えようという“心の余裕”が、スバル営業本部・開発本部ではなかなか生まれなかった。

トライベッカとは、ニューヨーク・マンハッタンの一角を指す名称だ。スバルとしては「なんとか都会派っぽい上級車を世に送り出したい」と、背伸びをしたような、そんなネーミングだった。

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最終更新:5/22(月) 17:57
オートックワン