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待機児童大幅増、保育士不足が深刻化 0~2歳児の需要急増 低賃金、仕事量も影響

5/22(月) 11:28配信

佐賀新聞

解決の糸口つかめず

 佐賀県の計画では解消に向かうはずだった待機児童が、大幅に増えた。背景には年々深刻化する保育士不足がある。県などは資格を持つ人への復帰支援策を取っているものの、企業はじめさまざまな職種でも人手不足感が広がり、解決の糸口はつかめていない。

空間整備も保育士確保できず…

 「事務室を保育室に替え空間を整備した。でも保育士が確保できずに、一部の希望者は受け入れられなかった」。みやき町と吉野ケ里町で保育園を経営する男性は、無念さを吐露した。男性は、国が示した保育士の処遇改善策の予算措置が福岡県は年度当初だったのに対し、佐賀県はまだ対応できていないことを例に挙げ「福岡県への流出が起きている」とみる。

 佐賀新聞社の調査では複数の自治体担当者が「近年、0、1、2歳児のニーズが高まっている」と指摘した。例えば3歳児ではおおむね「20人に1人」に対し、0歳児は「3人に1人」-。低年齢児ほど、手厚い保育が必要になるため、これまでよりも多い保育士の確保が必要になっている。

 県は2016年9月、保育施設に対し「あと何人の保育士が必要か」を尋ねる調査を初めて実施した。回答率7割で、足し合わせると、不足している人数は「184人」となった。

 県は13年10月から、有資格者の復職へ向け、県社協に県保育士・保育所支援センター事業を委託した。長年のブランクを不安に思う人が多いため、保育施設の見学をセッティングするなどしている。

 センターの支援を受け、16年10月、約2年ぶりに現場に復帰した女性(29)=城北保育園=は「育児との両立は大変だが、ありがたいことに同僚の手厚いサポートも得られて、充実している」と話す。7年の現場経験があるものの「経験があるからこそ、大変さも分かって…」と別の職種を検討したこともあったが、センター職員のきめ細かな支援が後押しした。

366人の求人に対し採用8人

 復職につながるケースがある一方、県内の求人倍率は全体で1倍を超える“売り手市場”。センターに16年度、366人の求人が寄せられた。これに対し、採用に至った人数は8人にとどまる。働く場の選択肢が多くなっていることも「保育の現場に戻ってこない一因になっている」。担当者は悩ましさを語る。

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最終更新:5/22(月) 11:28
佐賀新聞