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暴力、多額の契約料…ひきこもり支援名目で被害 規制なく窓口設置へ

5/22(月) 22:07配信

埼玉新聞

 ひきこもりの人たちを自宅から連れ出して、自立支援名目で多額の契約料を支払わせる被害が相次いでいる。被害者らは22日、東京都内で記者会見を開き、「センサーで監視された」「拒否しても無理やり写真を撮られた」と実態を明らかにした。専門家は「業者側を規制するガイドラインも、監視する仕組みもない」と悪質な業者がはびこる背景を指摘。被害者や支援者は被害実態を把握して対策に役立てていくため、情報共有を図る窓口を設置した。

 会見には、それぞれ異なる業者から被害を受けたという3人が出席。関東在住の20代女性とその母親は4月、業者側を相手取り、慰謝料など約1700万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしている。女性はひきこもりではなかったが、2015年9月、家族間トラブルが原因で突如、業者側に無理やり連れ出された。母親は業者側からの9時間にわたる説得の末、3カ月分の費用570万円を支払っていた。

 女性はアパートや男子寮を転々とさせられた。約1カ月間、軟禁状態にされたり、職員の暴力や脅しもあったという。女性は「自殺を考えるほど追い詰められた。被害者は声を上げにくい。同じように苦しむ被害者に、一人ではないと伝えていきたい」と涙ながらに語った。

 支援者らによると、被害者はひきこもりの人に限らない。何らかの家庭不和を抱えている人に、業者が付け込む例も見られるという。業者側を規制・監視する仕組みがなく、利益目的のビジネスが広がる温床になっている。

 支援者の一人で精神科医の斎藤環さんは「子どもが長期間ひきこもり、高齢になった親を狙う詐欺ビジネスになっている。親が了承していれば、無理やり連れ去っても罪に問われず、警察も動かない。こうした構造が詐欺ビジネスを大きくしている」と問題視し、実態把握の必要性を強調した。

 被害者らが設立した窓口は「自立支援業者に関する情報共有ネット(仮)」。問い合わせや相談は(yamaboushinokai@gmail.com)まで。

最終更新:5/22(月) 22:07
埼玉新聞