ここから本文です

山歩き、眺望楽しんで 松田町に新コース 地元ボランティアが整備

5/22(月) 18:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 松田町寄地区に、全長約4キロの新たなハイキングコースが誕生した。かつてはかやぶき屋根用のカヤを収穫する地域住民に欠かせなかった山道を、地元のボランティア団体が整備。眺望に恵まれた「タケ山」(標高710メートル)の頂上へとつながるコースを1年かけて再び切り開いた。23日には、開通を記念したハイキングが行われる。

 タケ山はかつて、カヤを刈る「カヤ場」が広がり、町民の暮らしに密接した山だった。だが戦後、生活様式の変化や職人の不足などに伴い、カヤを必要とする家が減少。その後、植栽されたスギやヒノキも需要減とともに手入れが行き届かなくなり、山道はいつしか荒廃したという。

 地元住民が行き来した山道の再生に取り組んだのは、ボランティア団体「虫沢古道を守る会」。古谷正夫会長は「昔の地図を見た登山愛好家から、『タケ山にはどう登ったらいいのか』と聞かれるようになった」ときっかけを説明する。眺望が良いと言われるタケ山に、往時のにぎわいを取り戻すため、昨年4月からメンバー10人で整備を始めた。

 それから1年は「悪戦苦闘の日々」。地主を探して許可をもらった上で、入り乱れる倒木をチェーンソーなどで伐採。ヒルに注意しながらの作業だった。ハイカーの安全を考え、道中に階段や道標を設置した。

 全長約4キロのコースは、タケ山入り口の長寿橋付近から頂上を経て、虫沢林道に抜け、虫沢地域集会施設に至る約2時間半の道程。守る会は、頂上への途上にある箱根連山や真鶴半島、房総半島などが一望できる場所を「展望台」、富士山を望める場所を「富士見台」、長寿橋から林道につながるまでのコースを「タケ山古道」とそれぞれ名付けた。

 古谷会長は「自然や眺望が素晴らしく、勾配もそれほどきつくない。風景を満喫しながらハイキングを楽しんでほしい」と願っている。

 タケ山入り口は、小田急線新松田駅から富士急湘南バスで「長寿橋」が最寄り。開通式と記念ハイキングは23日午前9時から。コースなどの問い合わせは、守る会の山岸榮市事務局長電話090(8772)1859。