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[寄稿] 「ハンセン病回復者賠償」に「慰安婦」問題解決の答がある

5/22(月) 7:00配信

ハンギョレ新聞

 文在寅(ムン・ジェイン)政権のスタートを契機に、2015年12月「韓日慰安婦合意」の再協議を要求する声が高まっている。18日に日本を訪問したムン・ヒサン特使は、「慰安婦」合意の履行を強調した安倍晋三首相に「慰安婦合意は韓国国民の大多数が受け入れられない雰囲気」という文在寅大統領のメッセージを伝達したという。国家間の合意を履行しつつ国民の大多数が受け入れられる道はある。まさに法的解決の道である。被害者問題に関する正しい法的解決をしないまま、2015年のような政治的妥協に固執するならば被害者はもちろん国民も決して説得できないだろう。

 日本軍慰安婦被害者をはじめとする日帝被害者が、1970年代から日本の法廷で法的闘争を通じて得た成果が2007年4月27日に下された日本の最高裁判所の判決だ。被害者の個人請求権が実体法的に消滅したわけではなく、法的救済が迅速になされなければならないという判決だ。これを契機に、日本の企業らは中国人強制動員被害者を救済し始めたが、唯一韓国人被害者に対しては差別的に救済せずにいる。韓国の最高裁も2012年5月24日、強制動員被害者に対する法的救済を強制する判決を下した。したがって、韓日政府は両国司法府の判断を葛藤解決の出発点とすることができる。

 これと関連して両国の弁護士会は2010年12月、日本で日本軍慰安婦問題を巡る葛藤の解決法を共同で宣言した。その内容を要約すれば、日本政府が立法を通じて日本軍慰安婦被害者に法的賠償をせよということだ。実際、韓国のハンセン人(ハンセン病回復者)被害者の場合、日本政府は1965年の韓日請求権協定を言い訳にはせず立法を通じて賠償を実施した。日帝強制占領期間にハンセン人を相手に犯した蛮行に対して、日本のハンセン人と同じように関連法を作り賠償したのだ。日本政府が「慰安婦」問題に対して、唯一韓日請求権協定を言い訳にして法的救済を拒否しているのは、「慰安婦」被害者をハンセン人と同じ被害者とは見ずに、自発的売春者として見る誤った歴史認識のためだ。

 歴史的事実認定、謝罪と賠償、再発防止の約束は、重大な人権侵害問題を解決する唯一の方法だ。日本政府は河野談話の精神に立ち返り、事実認定を正確にして両国の司法府が認めた賠償請求権により法的賠償をしなければならない。同時に、教育を通した再発防止のために誠実に努力しなければならない。

 日本政府がこれを拒否し続けて2015年の「慰安婦」合意履行だけ主張するならば、韓国は逆に日本政府に対して1965年韓日請求権協定第3条を守るよう要求しなければならない。2011年8月30日、憲法裁判所は日本軍「慰安婦」問題と原爆被害者問題を巡る紛争の解決に乗り出さない韓国政府の態度は違憲だと決めた。これは強制動員被害者を巡る紛争が発生する場合、その解決のために手続きを踏むよう規定した韓日請求権協定第3条に基づいた決定だ。

 日本政府が完全公開を拒否している1965年韓日協定当時の文書を公開するよう要求することもできる。これは日本国民に真実を知らせる戦略でもある。真実を知れば、日本の市民が強固な友軍になることもできる。日本政府は、「慰安婦」被害者ムン・オクチュさんの軍事郵便貯金を法的に処理できないまま、未だに保管だけしている。こうした問題の解決も要求しなければならない。安倍政権がこれを拒否するならば、文在寅政権は2015年の合意が「慰安婦」被害者問題を法的に解決したわけではないことを世界に知らせるため、関連文書を公開しなければならない。

チェ・ボンテ大韓弁護士協会日帝被害者人権特別委員長、弁護士

最終更新:5/22(月) 7:00
ハンギョレ新聞