ここから本文です

集落外から40代3人就農 農家高齢化進む富山市八ケ山 

5/22(月) 22:12配信

北日本新聞

 トマトや白ネギの産地として知られる富山市八ケ山地区で、生産者の高齢化が進んでいる。出荷量も年々減少していることから八ケ山園芸生産出荷組合では、3年前から就農者の受け入れをスタート。ことしも1人が加わり、40代の男性3人が新たな担い手として活躍している。 (報道センター部次長・村上文美)

 八ケ山では1930年ごろから野菜栽培が始まり、ピークだった70~80年は年間約2千トンを出荷していたが、現在は700トン余り。生産者は60代後半~70代がほとんどで、5年ほど前から、亡くなったり入院したりする専業農家が相次いでいる。

 主要品目の白ネギの生産者は、2012年に20戸だったのが現在は12戸に減った。トマトはさらに少なく12年にすでに8戸。その後も減少が続いたことから、14年と16年に1人ずつ就農者を迎え、現在は計6戸で生産する。それでも16年の出荷量は160トンと、県全体のトマト出荷量の47%を占めている。

 組合の福島保之専務理事は「1人当たりの面積が大きいため、生産者の減少はそのまま産地存続の危機につながる。就農者は大事な産地の担い手」と話し、就業者を募るフェアに出展するなどして人材を探している。

◇   ◇ 16年に就農した上野信一さん(47)=富山市大町=は、遊休化していたハウス30アールを借り、トマトとキュウリを栽培している。以前は飲食店を経営していた。当時は八ケ山に産地があることも知らなかったが、14年に知人の澤田剛さん(49)=同市小中=が集落で就農し、手伝い始めたことをきっかけに興味を持つようになった。

 「素人が何とかやっていけるのも、先生がたくさんいるおかげ」と上野さん。毎日午前10時、生産者たちが集まるお茶の時間などを利用し、作業手順を一から教わってきた。“先生”たちも「一生懸命やってくれてうれしい」と熱心に指導し、初年度、上野さんは他の生産者に肩を並べる33トンを出荷した。

◇   ◇ 栽培2年目のことし、上野さんはハウスに情報通信技術(ICT)を導入した。室温や湿度、日照量などを記録し、最新データをスマートフォンで見ることができるシステム。経験と勘が頼りだったハウス管理を、データに基づいて行えるようにするもので、集落外に住む上野さんには特にメリットは大きい。技術指導を行う富山農林振興センターが導入を勧めた。

 上野さんは「八ケ山の産地を守り、さらに県外産と戦う力を付けるには、いずれ新施設が必要となってくる。今から一人でも多く仲間を増やし、先生からしっかり技術を学びたい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:5/22(月) 22:12
北日本新聞