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カジノ誘致で明暗、認定手順に地方都市困惑-事業者選定にも影響

5/22(月) 6:00配信

Bloomberg

「地方創生の観点はどこへいった」-。和歌山県の仁坂吉伸知事は11日、カジノ産業関係者が集う都内のイベントで政府への不満を漏らした。この前日、政府はカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の認定手順と要件を有識者会議に提出していた。

政府案によると、地方公共団体がまず事業者を選定し、具体的な事業計画を作成した上で国に申請する。地域を先に選定する場合に比べ申請段階で実効性のある計画が把握でき、事業継続性や経済効果を見極めることができるとしている。

仁坂知事は、地域が先に選定されないのであれば事業者側が集客力と投資効果の見込める大都市を選ぶことになるという見方を示した上で、「政府は失敗したくないから慎重になっている」と批判。もっと自治体や事業者の「アントレプレナーシップ(企業家精神)」を信じてほしいと訴えた。イベントに参加した北海道釧路市の蝦名大也市長も政府案は地方都市に不利と批判した。

政府が国際会議場や劇場・博物館など4機能の完備を認定要件としたことも、小規模リゾート型施設を目指していた地方都市を不利な立場にした。認定地域は2-3カ所と想定されており、事業者の関心は選考に有利な東京都、横浜市、大阪府・市などに集中する可能性が高くなる。

国内では、自民党がカジノの導入検討を始めた2002年ごろから複数の自治体が誘致に向けた準備を進めてきた。和歌山県は03年に「地方自治体カジノ研究会」を発足。ヨットハーバーやテーマパーク、温泉、ホテルが集積した県北部の「和歌山マリーナシティ」(和歌山市)を候補地に決定し、隣接する15ヘクタールがただちに開発可能として「リゾート型カジノ」の誘致をしてきた。

誘致と売り込み

カジノを含めた統合型リゾートの整備を促す法律(IR推進法)は、昨年12月に国会で成立し、施行された。法律は「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資する」と明記。施行から1年以内にカジノ解禁に伴う法規制などを定めた実施法案を策定することになっており、10カ所以上の地方自治体や海外のカジノ事業者が今年末を見据えて誘致や売り込みをしてきた。

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最終更新:5/22(月) 6:00
Bloomberg