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イノシシ捕獲、人材確保 土浦市、講演会や免許取得費補助

5/23(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

土浦市は、イノシシによる農業被害や市街地への出没の増加を受け、狩猟に従事する人材の確保に力を入れる。狩猟免許保有者の高齢化に伴い担い手不足が懸念される中、本年度、農村部以外の若手を含め広く狩猟の魅力を伝える講演会を開くほか、免許取得の際の費用の一部補助を行う。市農林水産課は「趣味としての狩猟をする人から女性まで人材確保を進めたい」と見据えている。


同課や県猟友会によると、市内ではイノシシは山間の新治地区のほか、おおつ野地区の土浦協同病院周辺などで出没。2015年度で稲や果樹に計約627万円の農業被害が出た。市街地での生息拡大も確認され、市民生活への危険性も懸念されている。

イノシシの捕獲頭数は北部の新治地区を中心に年150頭ほど。捕獲は市が猟友会土浦支部に委託している。ただ同支部の会員数は06年度の約170人に対し、16年度には94人とほぼ半減し、捕獲にも影響が出ているという。県内の猟友会の平均年齢は66歳。高齢化が進み、3年ごとの免許更新のたびに辞めていく人が増えているという。

このため市は本年度、一般向けの狩猟講演会を企画。狩猟の魅力を伝える初の講演会が16日、同市国分町の四中地区公民館であり、市内外の6人が参加した。狩猟歴50年のベテランで県猟友会理事の清水昂さん(73)が講師となり、イノシシなどの害獣の繁殖や狩猟の状況、くくりわなや箱わな、猟銃の使い方を参加者に説明した。

清水さんは「このまま狩猟免許取得者が減り、5年もたつと有害駆除隊が編成できなくなる」と危機感を募らせる。講習会に参加した牛久市の男性(43)は「イノシシによる農業被害を知って参加した。生の話を聞いて狩猟をやってみたいと興味を持てた」と話した。

また市は狩猟免許(わな)取得費のうち、最大約1万3千円を補助する制度を始めた。同課は「免許は年間の費用がかかるので少しでも支援したい」とし、清水さんは「一人でも二人でも狩猟免許取得者を増やし、うまく世代交代していければ」と期待を込めた。 (綿引正雄)

茨城新聞社