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新潟南区・笹川邸保存活用計画 重文の価値再構築へ

5/23(火) 10:08配信

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 国の重要文化財で、新潟市が所有・管理する江戸時代の大庄屋旧屋敷「笹川邸」(南区味方)の保存活用計画がこのほど策定された。老朽化や入館者数減少を受け、修理とともに展示スペースなどを設けて歴史や魅力の発信を強化する。2018年度以降修理を行い、23年度にリニューアルオープンを目指す。さらに市は、地元住民や子どもたちをガイドとして養成し、解説を充実させたい考えだ。

 笹川邸は、約200年前に火災で表座敷や居室部分を焼失。その後に再建されたが、至る所で老朽化が目立つ。

 一方、入館者数も減少傾向が続く。旧味方村時代の1980年代後半には、バブル景気や大河ドラマの影響による「豪農ブーム」などを追い風に年5万人を超えた。しかし、バブル崩壊やレジャーの多様化から、徐々に落ち込み16年度の有料入館者は約4600人だった。

 住民や有志でつくる笹川邸観光PR開発実行委員会は、14年度に笹川邸の活用に関する提言書を区に提出した。保存活用計画はこれらを基に、文化庁の指示を受け市が15年度から2年がかりで策定。有識者や地元代表者らによる計画策定検討委員会でも意見を聞いた。

 策定された計画では、学習や体験、歴史再現など屋敷内をエリア分けし、重要文化財としての価値を学び、文化創造や地域活性化の拠点としての活用を図る。

 また、笹川邸での暮らしをマネキンなどで再現したり、講座室やシアタールームを設けて歴史を解説したりする。そのほか、簡単な調理ができるスペースをつくり、庭を観賞しながら呈茶が楽しめるようにする。

 子どもガイドは、コミュニティ協議会などと協力し養成講座の開催を目指す。

 笹川邸ボランティアガイドを務める吉田悦郎さん(70)は「文化財を説明するのはガイドの役割が大きい。分かりやすく、聞いて良かったと来場者から言われるように、質を向上させたい」と意気込む。

 区地域課は「計画に基づき重要文化財としての維持や向上に努め、地域の歴史や文化が分かりやすい施設にしていきたい」と話した。