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10年ごとに受賞?河瀬直美監督、今年のカンヌは「引き寄せられている」【第70回カンヌ国際映画祭】

5/23(火) 14:52配信

シネマトゥデイ

 現地時間22日、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されている映画『光』の公式上映を前日に控えた河瀬直美監督が取材に応じ、カンヌ初受賞から20年の今年の印象について語った。

映画『光』フォトギャラリー

 1997年の第50回に『萌の朱雀』でカメラ・ドール(新人監督賞)受賞、2007年の第60回に『殯(もがり)の森』でコンペティション部門グランプリ受賞と、10年ごとにカンヌの栄冠に輝いてきた河瀬監督。今年は2017年の第70回。視力を失いゆくカメラマン(永瀬正敏)と、視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作する女性(水崎綾女)が心を通わせていくさまを丹念につづった新作『光』は、そんな節目の年にコンペティション部門に選ばれた。

 それだけに今年のカンヌでは「いろなことが引き寄せられているのかな、ということがたくさんあって」と河瀬監督は打ち明ける。カンヌ入りした初日にはカメラ・ドールを河瀬監督に与えた当時の審査員に偶然出会い、河瀬監督作『朱花(はねづ)の月』(2011)がコンペティション部門に出品された際に審査員を務めていた女優のユマ・サーマン(今年はある視点部門の審査員長)に「覚えているわよ~!」と声を掛けられ、河瀬監督を見いだし、カンヌへの道を開いたロッテルダム国際映画祭のサイモン・フィールドとも街でばったり会ったという。

 「節目節目にわたしの映画をサポートしてくれた人たちに、今回偶然すごく会っているんです。鳥肌が立つくらい……。皆さん賞を期待すると思うんですけど、賞以前に、皆さんに『火曜日の上映、本当に楽しみにしているね』『直美が作り続けていることをすごくうれしく思う』みたいな感じで言っていただけるのが、とてもうれしいんです」と20年たっても映画界にいて、彼らとそこで再会できる幸せをかみしめた。

 その一方で、釜山国際映画祭のエグゼクティブ・プログラマーで、アジア映画の発展に尽くしてきたキム・ジソク氏がカンヌ入りした後、心臓発作のため亡くなったという訃報もあった。河瀬監督は「昨日、献花をしに行ったんです。そうしたら直属のアシスタントが『ジソクの手帳を見たら「23日:直美のフィルム」って書いてあった。だから僕が代わりに行きます』と言ってくださって……。アジアの若者を心からサポートしたとても素晴らしい方を、アジアの映画業界は失った。そこにも思うところがありました」と故人を偲んでいた。コンペティション部門の受賞結果は28日に発表される。(編集部・市川遥)

映画『光』は5月27日より全国公開
第70回カンヌ国際映画祭授賞式ライブは日本時間28日翌1:15~ムービープラスにて放送

最終更新:5/23(火) 14:52
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