ここから本文です

ミリ波レーダーのさらなる低コスト化へ、CMOSプロセスの採用が活発に

5/23(火) 6:25配信

MONOist

 日本テキサス・インスツルメンツは2017年5月17日、76~81GHz帯に向けたミリ波レーダー用ワンチップCMOS製品の新しいポートフォリオを発表した。車載、ファクトリーオートメーション、医療など幅広い市場に提案する。現在量産されているミリ波レーダー向けソリューションと比較して、最大3倍の精度のセンシング機能を実現するとしている。

 現在サンプル出荷中で、参考価格は車載用の「AWR1x」、産業用「IWR1x」ともに299米ドル(約3万3000円)。

 今回発表したポートフォリオは必要な処理能力に応じて、DSPとMCUをCMOSチップ内に内蔵した完全統合のものから、外部のMCUとDSPを組み合わせる形式のものまで選択できる。距離分解能は4cm未満で距離精度は50μm。検出可能な距離は最大300mとしている。また、基板実装面積を半減するとともに、消費電力も低減する。

 SDKには複数のサンプルアルゴリズムやソフトウェアライブラリ、20種類に満たないAPIが含まれており、RF設計を簡略化するとしている。また、基板実装面積を半減するとともに、消費電力の削減にも貢献する。

 車載用のAWR1xは、レベル2以上の自動運転に対応しており、自動車向け機能安全規格ISO 26262の安全要求レベルASIL Bにも適合する。周辺監視以外にも、ドライバーのモニタリングにも使用できる。

●SiGeからCMOSへ

 現在、車載ミリ波レーダーにはSiGe(シリコンゲルマニウム)ベースのトランシーバICが採用されるようになっている。STマイクロエレクトロニクスや、IBMから車載用ミリ波技術を取得したオン・セミコンダクター、Infineon Technologies(インフィニオン)、NXPセミコンダクターズなどが手掛けている。

 かつては価格が数十万円だったミリ波レーダーを使う運転支援システムが、今や10万円以下になっているのはSiGeベースのトランシーバICによる機能集積の効果が大きい。

 CMOSプロセスを採用したミリ波レーダー向けチップは、SiGeベースと比較してさらに小型化と低価格化、消費電力の低減が図れる。現在、NXPセミコンダクターズやアナログ・デバイセズがCMOSプロセスを採用して製品化している。

最終更新:5/23(火) 6:25
MONOist

Yahoo!ニュースからのお知らせ