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菊地成孔、“実母がダイナマイトで心中”末井昭の伝記映画の音楽担当

5/23(火) 13:00配信

音楽ナタリー

菊地成孔が、2018年の春に東京・テアトル新宿ほかで公開される映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」の音楽を担当する。

【写真】柄本佑(他1枚)

本作は編集者、作家、サックス奏者の末井昭が1982年に発表したエッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」を原作としたもの。幼少期に実母が隣家の息子とダイナマイトで心中するという経験をし、成人向け雑誌「ウィークエンドスーパー」「写真時代」などの編集長として写真家・荒木経惟とのコンビで1980年代を席巻した末井の半生を描く。監督は「素敵なダイナマイトスキャンダル」の映画化を長らく熱望していた冨永昌敬が、末井役は柄本佑が務める。菊地成孔の音楽が、映画をどのように彩るのか楽しみにしておこう。

柄本佑 コメント
「素敵なダイナマイトスキャンダル」は久しぶりの「映画」の現場で興奮しました。
正直なところ、映画のコメントを求められた今、何を書けばいいのか?
楽しすぎて、楽しい事を楽しみ過ぎててあまり記憶がない、、、。しかし、頑張ります。
末井昭さんのことはよくよく考えてみると夜中にCMで出ている和服姿のおじさんだったのですが、
認識したのは初めてで、お会いした時、あっけらかんとした柔らかい人柄の中に、鋭く人を見抜く「目」が存在していて、怖かったです。演出される冨永監督はずっと思考してて、ギラリと光る「目」は常に何かを企んでいます。セクシーで、不気味でした。この2つの「目」に睨まれながらの現場がすこぶる怖く、すこぶる楽しかったのです!
冨永監督の持つ映画的謎なリズム、そして末井昭さんとのタッグ、
映画ファンとしてどんな作品になっているのか気になります。

末井昭 コメント
「素敵なダイナマイトスキャンダル」は、子供の頃に母親が不倫相手とダイナマイト心中したことから始まる自叙伝です。5年前に冨永監督から、この本を映画化したいと言われました。
僕は26歳のときにエロ雑誌の編集者になったのですが、それまで工場やら看板屋やらキャバレーやら、働き口がめまぐるしく替わっています。編集者になってからも、雑誌が2回発禁になったり、不倫やら先物取引などで大変なことになったり、いろんなことが次々起こります。こんなややこしい話を映画にするのは大変だろうな、実現できないのではないか、もう5年も経ってるし、と思っていたところ、なんと映画化が決定したのです。しかも、豪華キャスト、豪華スタッフで。
どんな映画になるのでしょうか。いい雰囲気で撮影が進んでいたので、面白い映画になることは間違いないと思いますので、皆様お楽しみに!

冨永昌敬監督 コメント
映画とAVと深夜番組ばかり見て悶々と過ごしていた18歳のころ、僕はその人を初めて見ました。
夜な夜なパチンコ雑誌のCMに登場するその人は、自称「パチンコジャーナリスト」の「ゴンゾーロ末井」といい、女装で新台の宣伝を絶叫するその姿は、田舎から這い出てきて間もない世間知らずの童貞男にとってはすこぶる不気味なものでした。「こんな資本主義に毒された大人になってはいけない」と決意したその日から数年後、立ち寄った書店の棚でその人をまた見ました。「ゴンゾーロ末井」の本名を知ったのはそのときです。相変わらず和服の女装姿でしたが、なぜか表紙の写真に惹きつけられました。妙です。大学で映画をつくるようになって、少しは人生を経験して、人間や世の中を見る目が僕にも出来てきたからでしょうか。不気味どころか、末井さんの古代の賢者のような微笑みにすっかり射抜かれてしまい、さらに一読して、その微笑みにふさわしい異様な半生に驚かされました。あの怪人「ゴンゾーロ末井」がこんなにも他人の気持ちに通じ、また自分自身を知る人だったとは!何度も読むうちに頭の中で映画化を夢想してゆくと、主人公の顔がぼんやり見えてきました。柄本 佑のような顔でした。佑くん主演で「素敵なダイナマイトスキャンダル」映画化、と勝手に熱望するようになって何年経ったのか、もう分かりません。

最終更新:5/23(火) 13:00
音楽ナタリー