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日照時間の長さで有名な北杜市、148枚の太陽光パネルで駅が生まれ変わる

5/23(火) 22:40配信

スマートジャパン

■晴天日の日照時間帯を100%太陽光発電で賄う

 国内有数の日照時間を誇る山梨県北杜市。同市に位置する中央線小淵沢駅は「エコステ」モデル駅として、2017年7月3日に生まれ変わる――。エコステとは、JR東日本が省エネ機器や再生可能エネルギーといった環境保全技術を駅に導入する取り組みだ。

【駅舎内観イメージはこちら】

 北杜市とJR東日本八王子支社におけるエコステのコンセプトは、晴天日の日照時間帯における駅消費エネルギーを100%太陽光発電で賄うことである。具体的には、駅舎とホーム全てにLED照明を導入。ホーム上屋に108枚、駅舎屋根上には40枚の太陽光パネルも設置する。年間発電量の試算は5万3137kWh(キロワット時)という。

 JR東日本八王子市支社の広報担当者によると、採用した太陽光パネルのメーカー名は非公開としたが、発電効率や設置コスト、設置可能面積などから決定したとする。

 また駅の利用者がエコを実感する施策として、待合室への太陽熱暖房、太陽光発電の発電量や使用電力などを表示する「エコ表示モニター」も設置する予定だ。

 北杜市とJR東日本八王子支社では、2017年5月に発表したリリース上で「地域の人々や観光客に親しまれ、記憶に残るような駅舎を心掛けた」とコメントする。北杜市を囲む八ヶ岳や南アルプスの山々、山岳から湧き出る清流は重要な自然遺産と強調する。

 このような山岳と清流による風景を駅舎のデザインに取り込むため、カラーデザインは周辺環境に調和するようブラウン系を基調とし、一部に木材を活用したという。八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳、日本三大巨峰などを堪能できる「屋上展望デッキ」も設置する。

 新駅舎の建築面積は約775m2、観光案内所や交流スペース、トイレ(多目的含む)、物販店「MASAICHI本店」や「丸政そば」などの店舗を備えている。構造は鉄骨2階建て。小海線ホーム、中央線ホームにはエレベーター1基ずつを整備するとした。

■他のエコステ事例を紹介

 JR東日本が2012年から推進しているエコステだが、小淵沢駅以外にも複数の駅が生まれ変わっている。最初のモデル駅(2012年3月)となったのは、中央線四ツ谷駅だ。計17個のエコメニューが実施されている。例えば点灯時間の長いホーム、コンコースのLED導入では、年間約113万トンのCO2削減に貢献。屋上や壁の緑化活動も進めてきた。

 四ツ谷駅では、全体のCO2排出量を2008年度比で40%削減すること目標に掲げている。JR東日本によると、既に2014年度CO2排出量では41%削減を達成したという。

 2013年9月に3番目のモデル駅となったのは、京葉線海浜幕張駅である。「創エネ」メニューとして、太陽光発電パネルや風力発電機を設置。太陽光を高架下に伝送する光ダクトや、地中熱を利用した換気システムも導入している。

 5番目のモデル駅(2015年4月)は、東北本線福島駅だ。軽量型太陽光パネルや有機薄膜太陽電池を活用することで、福島県が策定した「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」を推進することを目指す。同ビジョンでは、福島県内の1次エネルギー需要量を2020年に40%、2020年に100%再生可能エネルギーで賄うことを掲げている。

 2017年4月に6番目のモデル駅*)となったのは、南武線武蔵溝ノ口駅である。省エネを目的としたLED照明や高効率空調機器、壁面緑化システムを導入した他、環境価値を駅の利用者に伝えるデジタルサイネージなども設置している。

 また5つのモデル駅の中で、太陽光発電を組み合わせる水素エネルギー供給システムを初めて設置した。この取り組みはJR東日本横浜支社と川崎市が、2015年1月に再生可能エネルギーで製造した水素の利用促進に向けて締結した連携協定に基づく取り組みだ。

*)エコステのモデル駅は、上記で挙げた例の他に東北本線平泉駅、常磐線湯本駅がある。