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宇宙で9カ月間保存されたマウスの精子から健康なマウスが誕生 山梨大

5/23(火) 19:12配信

ITmedia NEWS

[AP通信] 宇宙で9カ月間保存されたマウスの精子から健康なマウスが複数誕生した。日本の科学者らが5月22日、そう発表した。

【画像】誕生した宇宙マウス

 研究チームは凍結乾燥させたマウスの精子を2013年に国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げ、2014年に地球に回収。宇宙空間の強い放射線の影響で精子のDNAには若干の損傷がみられたが、地上で受精させたところ、健康な子孫が誕生し、その後、正常な生殖能力を持つ大人のマウスに成長したという。

 山梨大学の若山清香特任助教が率いる研究チームはこの研究成果について、「宇宙で保存した精子を使ってマウス以外の哺乳類、さらには人間を繁殖できる可能性を示す一歩だ」と話す。研究チームは数年あるいは数世代にわたるミッション期間中に家畜や人間にも生殖補助医療技術を応用することを構想している。

 今回の研究結果は、米国科学アカデミー発行の機関誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表された。

 これまで宇宙での発育研究は主に魚や両生類で行われてきた。哺乳類は宇宙空間での管理や扱いが難しいので、比較的限られた実験しか行われていない。「宇宙空間での精子の保存については、もっと徹底的にテストする必要がある」と研究チームは語る。

 宇宙で精子を保存する実験には、宇宙への長期滞在や移住を見据えた目的の他に、地球で大災害が発生した場合に備えるなどの狙いもある。研究チームによれば、精子を地下に保存する場所としては恐らく月が理想的だという。特に月の溶岩洞は「温度が非常に低く、厚い岩盤層によって宇宙放射線から保護され、地球上の災害から完全に隔離されている」という点で、保管に適しているという。

(日本語翻訳 ITmedia NEWS)
(C) AP通信

最終更新:5/23(火) 19:12
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