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ロシア疑惑の深層~ウォール街は「ペンス大統領」を待っている

5/23(火) 11:20配信

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トランプ政権とロシアの不適切な関係を巡る疑惑、「ロシアゲート」の行方に注目が集まっています。ただ、一口にロシアゲートと言っても漠然としており、報道も断片的になりがちです。そこで今回は、ロシアゲートとは何かを簡単にまとめ、今後の見通しや景気への影響などを整理してみました。

トランプ大統領とトランプ陣営を分けて考える

ロシアゲートとはトランプ政権とロシア政府との不適切な関係を巡る一連の疑惑を総称していますが、時間の経過とともにさまざまな出来事が発生した関係で、そもそも何が問題となっていたのかがわかりづらくなっています。

たとえば、最近では機密情報の漏えいであったり、捜査妨害などへの関心が高まっていますが、これらはロシアゲートから派生した問題であり、核心ではありません。

まずはトランプ大統領本人への疑惑とトランプ陣営とロシアとの共謀疑惑の2つの視点を便宜的に分けて考えると整理しやすいでしょう。

たとえば、これまでの主なイベントを挙げると、

 1.トランプ陣営の選対本部長、ポール・マナフォート氏辞任(2016年8月19日)
 2.ドイツ銀行、ロシアのマネーロンダリング(資金洗浄)を巡り4億ドル強の和解金で同意(2017年1月30日)
 3.マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任(2月13日)
 4.トランプ大統領、マンハッタン連邦地検のトップを罷免(3月11日)
 5.コミー米連邦捜査局(FBI)長官、ロシアゲートを捜査中と異例の公表(3月20日)
 6.トランプ大統領、FBI長官を解任(5月9日)
2つの視点は重なる部分も少なくはありませんが、1、3、5は主にトランプ陣営、2、4、6は主にトランプ大統領本人との関連が強そうです。

トランプ大統領はロシアとの不適切なビジネスに疑惑

ドイツ銀行はトランプ氏への主な貸し手です。ドイツ銀行からの融資は1998年に開始されており、これはロシア危機でルーブルが暴落し、ロシア国内から海外へと資金が流出した時期と重なります。

また、ドイツ銀行は“トランプ・ワールド・タワー”にも融資していますが、このタワーにまつわるロシア疑惑も報道されています。

今回発覚した資金洗浄は株取引を利用した比較的最近の動きであり、トランプ氏と直接関係はありません。ただ、事件が明るみになったことでドイツ銀行はトランプ氏とロシアとの取引記録を精査して司法省に提出する準備を整えていました。

こうしたなかで、ドイツ銀行の資金洗浄を捜査していたマンハッタン連邦地検のトップが解任される事態となり、これはロシアを舞台とした資金洗浄の捜査がトランプ大統領にも迫っていた可能性を示唆しています。

トランプ大統領は過去に破産を繰り返してきたことで有名ですが、破産した経営者に誰が資金を提供してきたのかというのは素朴な疑問です。

1990年代後半、経営していたカジノが破たんし、思うように借り入れができなくなったトランプ氏と、ロシア危機で資産を海外に移動したいロシア富豪の利害が不動産取引で一致したことは想像に難くありません。

このように、見方によっては20年ほど前に始まったロシアとの不動産ビジネスがロシアゲートの端緒となっているとも言えるわけです。

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最終更新:5/23(火) 11:45
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