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復刻連載「北のサラムたち1」第14回 ああ哀しき者よ、汝の名は「北朝鮮の女」(5) 中国は難民女性スニの安住の地ではなかった

5/23(火) 13:16配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

翌日、村を離れることになった私を、スンホとスニは鉄道駅まで送ってくれた。

旧正月を目前にした村では、あちこちで爆竹が鳴らされていた。スニにとっては異国で迎える初めての新年だ。突然大音響で破裂する爆竹に、スニは耳を塞いで怖がっている。それを、スンホは微笑みながら冷やかしている。二人は誰が見ても仲むつまじい新婚夫婦に見えるだろう。

「仲良く暮らしていきなよ」
そう言って私は村を離れた。


その後、何度かスンホから連絡があった。

残してきた子どものことが思い出されて居ても立ってもいられなくなったスニが、子どもを連れ出してくると、危険覚悟で豆満江を渡って北朝鮮に入っていった。しかし、子どもには会えたが夫の両親との関係など複雑な事情のため、子どもを中国に連れ出すことは断念してスニ1人で戻ってきた。一度はそのような知らせだった。

次は2002年の終わり頃だった。公安(警察)の北朝鮮難民取り締まりが厳しくなって、村にもたびたび捜査にやってくるようになった。スニを家に置けなくなり、バスで2時間ほどの街の知り合いの家に避難させている、というのだった。
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