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無くそうネットいじめ 柏の中学校で授業 千葉大など開発

5/23(火) 12:02配信

千葉日報オンライン

 スマートフォンや会員制交流サイト(SNS)の普及などに伴い深刻化する児童・生徒間の「ネットいじめ」を防ぐ授業を、千葉大学と柏市教育委員会などが開発し22日、同市立土中学校(同市増尾、鈴木淳一校長)で報道陣に公開した。クラス全員がいじめの傍観者とならず、いじめを許容しない雰囲気をつくることを目指す先進的な内容。夏までに同市立全20中学校の1年生に実施する。授業とともに、同市は同日から、いじめを報告・相談できるスマホ・ウェブ用アプリの配布も始めた。

 ネットいじめは、閉鎖的なチャットなどで行われるため大人の目が届きにくく、気付かないうちに重大な結果を招くことがある。昨年8月には、青森県で中学2年の女子生徒=当時(13)=がネット上の悪口を苦に自殺。また、画像や動画などが拡散すると消去が困難で、重大な人権侵害に当たるケースもある。

 授業は、同大学、同教委と敬愛大学などが連携して昨年10月ごろから開発をスタートし、2月末に完成した。

 「私たちの選択肢」と題された授業では、まず生徒は計約15分間のオリジナルドラマを視聴。クラスメートが単文投稿サイト「ツイッター」や通信アプリ「LINE」を模したアプリ上で同級生から誹謗(ひぼう)・中傷を受けるようになり、いじめが現実にも波及する-というストーリー。

 いじめの「傍観者」の主人公は、「いじめを止めるように書き込む」か、「傍観者のまま沈黙する」かの2択を迫られる。生徒は、主人公の立場に立って選択を議論・発表。「自分が止めないと何も変わらない」「止めたら自分がいじめられてしまうかも」と、さまざまな意見を交わした。

 クラス内の選択の比率がドラマの主人公の選択と結末に影響し、クラスの雰囲気がいじめに影響することを体感させる狙いがある。この日の授業では「止める」を選んだ生徒が大半を占めたため、いじめは無くなった。「沈黙」が多いといじめは続いてしまう。

 「沈黙」を選んだ同校1年、藤田雪乃さん(12)は「授業を受けて、いじめを見たらできるだけ行動しようと思うようになった」と話した。

 監修した、教育方法学が専門で、子どもとネットの問題に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授(51)は「問題化するネットいじめにはこれまでと違う角度での対策が必要。いじめには傍観者となるクラス全体の雰囲気が大きく影響する」と授業の意義を説明している。

 なお、市教委が同日から同市立中学校の生徒に配布・導入した「STOPit」は、匿名でいじめを報告・相談できるスマホ・ウェブ用アプリで、今回の授業内容に沿ったもの。県内の公立学校では初の導入という。