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【ブラジル】出版市場また縮小

5/23(火) 2:43配信

サンパウロ新聞

不況を反映、2年間で17%縮む

 経済調査院(Fipe)と書籍出版業組合(Snel)、そしてブラジル書籍会議所(CBL)が17日公表した最新の調査報告「ブラジルの出版業界の生産と販売」によると、同国の出版市場の規模は2016年、前の年に比べて実質5.2%縮小した。出版社各社は、この結果はブラジルの経済危機を反映したものだと指摘し、業績の落ち込みは「出版業界にとって重大な意味」を持つと主張している。報告書によれば、ブラジルの出版市場は15年と16年の2年間で17%縮んだ。
 同調査報告によれば、出版業界の16年の名目売上高は前の年を若干上回った(0.74%増)。しかし、同年のインフレ率(6.3%)を考慮した場合、つまり実質値で比較した場合は5%を超える前年割れとなる。15年の名目売上高は52億3139万6423.43レアル(約1830億円)、16年は52億6997万3133.98レアルだった。
 「またしても、この結果に最も重くのしかかった要因は、名目成長率マイナス3.3%の市場部門(一般向け販売)の挙動だった。この数字は、実質値では厳しい落ち込みだったことを意味している。市場部門だけを見た場合、15~16年累計の落ち込みは実質20%を超える」と報告書は指摘する。一般向けの市場部門がマイナス3.3%成長と沈んだ16年には、政府調達部門はプラス13.8%の名目成長を遂げた。16年のそれぞれの売上高は、市場部門が38億7251万546.37レアル、政府調達部門が13億9746万2587.61レアル。販売数は、市場部門が2億2662万1534冊と前年を11.0%下回った一方で、政府調達部門は1億5679万4917冊と16.5%拡大した。

科学・技術・専門分野が最大の落ち込み

 大まかに四つに分類されたサブセクターの中で16年に最も激しく不況の影響を被ったのは科学的・技術的・専門的な書籍だった。この分野の売り上げは前年に対して名目10.5%減、実質15.8%減と大きく沈んだ。販売数も同様に17.2%減(約450万冊減)と大幅に落ち込んだ。
 科学的・技術的・専門的分野に次いで落ち込み幅が大きかったのは、売上高では一般書籍(前年比4.9%減)、販売数では宗教本(同12.7%減)だった。ただし、政府調達に限った場合、宗教本は金額、数量ともに15年を激しく上回った。宗教本の政府機関向けの販売額は15年の14万1369.00レアルから128万7975.09レアルへ811.1%増加、販売数は1万1263冊から15万1138冊へと1241.0%増加した。
 なお、サブセクターの中では教訓本だけが15年に対して売上高を伸ばした(3.7%増)。ただし、販売数は他のセクターと同様に縮んだ(5.5%減)。
 サブセクターごとの市場における平均単価は、教訓本29.96レアル(15年比9.7%高)、一般書籍10.54レアル(同6.9%高)、宗教本8.93レアル(同9.3%高)、科学的・技術的・専門的分野40.23レアル(同8.1%高)。四つのセクターすべてで同年のインフレ率を上回る上昇が確認された。

本の生産は4.4%縮小

 ブラジルの出版業界は16年の1年間に4億2718万8093冊の書籍を生産した。この数は15年に比べて4.4%少ない。これらのうちの大半は重版によるもので、16年に国際標準図書番号(ISBN)を取得した書籍の生産数は8002万6152冊(前年比8.6%減)だった。
 また、生産されたタイトル数は合計5万1819タイトル(前年比1.2%減)だったが、これもやはり大半は重版だった。重版は3万4446タイトル(同2.0%減)、同年にISBNを取得したものは1万7373タイトル(同0.5%増)だった。

最終更新:5/23(火) 2:43
サンパウロ新聞

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