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映画の感動味わって 施設など回り40年の「16ミリ試写室」

5/23(火) 23:41配信

カナロコ by 神奈川新聞

 ◆横須賀の母親ら上映団体
 16ミリ映写機などを使って自治会館や福祉施設で上映会を続けるボランティアグループ「16ミリ試写室」の活動が40年を迎えた。地域の子どもたちに映画を見せようと、横須賀市内の母親たちが集まって発足した同グループ。DVDが普及し、家庭での観賞が一般的になった今でも「みんなで同じ作品を見る感動を味わってほしい」と、カタカタと小気味よい音を響かせる映写機とともに市内各地を巡る。

 同グループは、市が主催した保護者対象の講座で16ミリ映写機の操作を学んだメンバーを中心に、1977年に結成。市立図書館などから映写機やフィルムを借り、地域で毎年100回ほどアニメやドラマなど幅広い作品の無料上映会を開いてきた。

 20年ほど前からは、遠出しなければ見られないミニシアター系の良質な作品に触れてもらおうと、有料上映会を開催。情報収集のため、メンバーが全国各地のドキュメンタリー映画祭に出掛けたり、映画監督に会いに行ったり、人と人とのつながりを大切に活動の幅を広げてきた。

 2013年には、地域交流支援活動の奉仕団体として緑綬褒章を受章。松澤澄江会長(79)は「賞をもらえたことよりも、いろいろな人が活動を見ていてくれて、推薦してくれた人がいることがうれしかった」と振り返る。

 現在は、障害者施設や高齢者施設など、日ごろ映画館に行くのが難しい人たちがいる場所を中心に活動。訪問する度に「今日は何の映画を上映するの」と笑顔で待ってくれていたり、上映後に「久しぶりに映画を見て涙が出た」と話し掛けてもらえたりするのがこの上ないやりがいだ。

 現在のメンバーは14人。うち10人が70歳以上となり健康問題を抱えるメンバーも多いが、松澤会長は「多くの人とつながれるのは活動の励み。これからも無理のない範囲で社会教育の種をまく活動を続けていけたら」と話している。