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京都で、空缶や古新聞の陶芸アート展

5/23(火) 17:00配信

Lmaga.jp

大阪と岐阜を拠点に旺盛な活動を続けるベテラン・アーティスト、三島喜美代(1932~)。彼女の世界をコンパクトに展観できる個展が、「現代美術 艸居(そうきょ)」(京都市東山区)で5月28日までおこなわれています。

【写真】新聞紙を束ねた陶芸作品《Newspapers P-17》2017年

画廊に入ってまず目を引くのは、2つの大きなゴミ箱です。そこには空き缶やダンボール箱が無造作に詰め込まれていますが、それらのすべてが陶芸作品だと知ったら、きっと誰もが驚くでしょう。また、紐でくくられた古新聞・古雑誌や、平積みにされた漫画雑誌も同様です。こうしたゴミは、我々の日常生活でごく当たり前に見られます。そして、普通は芸術作品にならないもの、すなわち美しくないものです。そのありふれたもの、取るに足らないゴミが、圧倒的な再現力をもって芸術作品へと転化される。そこに三島作品の面白さがあると言えるでしょう。

同時に彼女の作品には、大量消費社会への皮肉という、文明批評的な側面が感じられます。一方、携帯電話やパソコンというデジタル製品が登場しないことから、アナログ時代への郷愁を感じる人もいるかもしれません。このように、ビジュアルのインパクトが大きく、様々な解釈ができるのに、決して小難しくはない。それが三島作品の魅力です。関西で彼女の個展が行われるのは久々なので、この機会を見逃さないようにしてください。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:5/23(火) 17:00
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