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【特集】彫刻をバラバラに切断? 美術館がなぜ…

5/23(火) 17:29配信

毎日放送

京都市美術館に展示されている高さ11メートルもある石の彫刻がいまピンチ。3年後に新たに現代的な美術館に生まれ変わるのにあわせてバラバラに切断されてしまうというのです。どういうことなんでしょうか?

美術館の方針に反対する人たち

京都市美術館の前で声を上げるのは、彫刻家や画家など芸術家たちです。彼らが怒っているのは美術館の正面玄関近くに長年展示されている、大きな石の彫刻の行く末についてです。「貴重な作品が破壊される」と美術館側の方針に反対しています。

「こんな感覚の職員が、この美術館を運営していて良いんでしょうか!?」(男性)
「破壊行為というか、廃棄と同じ意味を持つ」(男性)
「あまりにも不義理な、義理も人情もない世界を作っているなという感じ」(男性)

一体、何が問題なのでしょうか?

彫刻を10分割に!

まるで空気や水が流れるようなフォルム。高さ11メートルの2本の石が空に向かって伸びています。

「空にかける階段’88-Ⅱ」。30年前、美術館が屋外展示物として京都に住む彫刻家・富樫実さんに製作を依頼したものです。石は瀬戸内海の島で切り出された御影石を使用していて、一つの石だけでできた彫刻としては当時、日本一の高さを誇ったといいます。長年来館者に親しまれてきた彫刻ですが、京都市美術館はバラバラに切断し、撤去する方針を固めました。美術館の方針は、なんと作品を10個に切り分けるというのです。

抗議活動の先頭に立っている貴志カスケさん(64)は京都市美術館のこの方針は同じ彫刻家として 許せないといいます。

「ここの美術館は整備計画で、世界に誇る美術館になりたいと。こういうことをやって世界に誇れる美術館になれるのかという問題ですよね」(彫刻家 貴志カスケさん)

大規模リニューアルの京都市美術館

80年以上にわたって芸術文化を発信してきた京都市美術館に何が起きているのでしょうか?

実はいま京都市美術館は大規模なリニューアルを行うため、先月から3年間休館し、工事にむけた準備が進んでいます。リニューアルには約100億円という巨額の費用がかかるため、去年、美術館の名前の権利、いわゆる「ネーミングライツ」を売却して費用を捻出することにしました。

そして、決まったのが『京都市京セラ美術館』。電子部品メーカー「京セラ」が2019年からのネーミングライツを購入。公立美術館に企業名が入る異例の結果となりました。

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最終更新:8/1(火) 16:32
毎日放送