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河瀬直美監督『光』カンヌで10分のスタンディングオベーション!永瀬正敏も全員感涙【第70回カンヌ国際映画祭】

5/24(水) 9:52配信

シネマトゥデイ

 現地時間23日、第70回カンヌ国際映画祭で日本勢唯一のコンペティション部門出品作となる河瀬直美監督の映画『光』の公式上映が行われ、エンドクレジット中は盛大な拍手が鳴り響き、劇場が明るくなってからは熱烈なスタンディングオベーションが贈られた。時間にして約10分。河瀬監督、主演の永瀬正敏、水崎綾女、藤竜也、神野三鈴の全員が感激の涙を流し、互いに抱き合って喜びをかみしめた。

映画『光』フォトギャラリー

 『光』は、視力を失いゆくカメラマン(永瀬)と、視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作する女性(水崎)が心を通わせていくさまを丹念につづったラブストーリー。上映後の会場を出たところでは黒山の人だかりができており、その中心に居たのは河瀬監督とキャスト陣。興奮冷めやらぬ様子の観客から次々と写真撮影を求められ、口々に「コングラチュレーション!」と祝福の言葉を掛けられていた。

 上映後に取材に応じた河瀬監督は「言葉にならないものが自分の中に込み上げてきて、それをまだ整理できていません」と絞り出すようにコメント。永瀬は「エンドロールであんなに拍手をいただいて、その後あんなに長いスタンディングオベーションをいただいて……。エンドロールが終わったらかっこよく立ち上がろうと思っていたんですけど、(泣いてしまって)無理でした。あんなに温かい拍手は初めていただいたと思います」と笑顔を見せた。

 水崎も「気持ちが涙として表れました。皆さんに観てもらうまではすごく不安でしたが、今日こんなにたくさんの方に観てもらえ、温かい拍手を本当にたくさんの時間いただけて、感動しました。感謝の気持ちしかないです」、藤も「河瀬さんの映画で何か大切なものをもらって、カンヌの観客の方たちからも同じような大切なものを映画人としてもらいました。うれしかったです」、神野も「とても強く映画の力を感じました。カンヌのお客様の拍手がそれをわたしに教えてくれました」と感激の面持ち。

 現地の観客からの「今まで観た中で一番いい映画だった」「涙をこらえるのに必死だった」という感想を受けた河瀬監督は「最高です。混沌とした時代で、何か表現をするときにも混沌としたものを描いてしまう時代だと思うんです。そこに必死になって“光”を見つける物語を作れた……それを観客の皆さんが今の時代だからこそいいと言ってくださったのであれば、わたしは人間に未来があるんじゃないかと思います」としみじみ語っていた。コンペティション部門の受賞結果は28日に発表される。(編集部・市川遥)

映画『光』は5月27日より全国公開
第70回カンヌ国際映画祭授賞式ライブは日本時間28日翌1:15~ムービープラスにて放送

最終更新:5/24(水) 9:52
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