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中国で日本映画ブームの兆し!国交正常化45周年の節目に特集上映

5/24(水) 10:10配信

シネマトゥデイ

 日中国交正常化45周年を記念して、中国・広州で第1回日本映画広州上映ウイークが5月26日~28日に開催される。会期中は7作品の上映のほか、池松壮亮&菅田将暉共演で話題となった映画『セトウツミ』(2016)の大森立嗣監督と近藤貴彦プロデューサーが現地入りし、広東外語外貿大学でトークイベントを行う。

池松&菅田が会話するだけ!?『セトウツミ』予告編

 同イベントは独立行政法人国際交流基金と広東省電影行業協会の主催で行われるもの。国際交流基金では同じく日中国交正常化45周年記念事業として3月に、中国・北京で「松竹大歌舞伎北京公演」を北京天橋芸術中心・中劇場(客席数約900)で実施。3日間で計5回の公演を行い、チケットが完売となる好評を得た。

 今回は映画を通しての文化交流を図るもので、上映プログラムは『セトウツミ』のほか、小津安二郎監督の名作『東京物語』(1953)、山田洋次監督『家族はつらいよ』(2016)、瀬々敬久監督『64-ロクヨン-前編』と『64-ロクヨン-後編』(共に2016)、中村義洋監督『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』(2016)、橋口亮輔監督『恋人たち』(2015)という名作から近年の話題作まで力作が揃った。

 国際交流基金によると作品のセレクションは中国側が行い、北京国際映画祭と上海国際映画祭での上映作の中から質はもちろん、人気の高かった作品が選ばれたという。中国では2015年に『STAND BY ME ドラえもん』(2014)が約5億3,000万元(約84億8,000万円・1元16円換算)の大ヒット。続いて昨年末に公開された新海誠監督『君の名は。』が興行収入5億7,675万元(約92億2,800万円、株式会社アクセスブライト調べ)と、『ドラえもん』の記録を上回る成功を収め、“中国で最も成功した日本映画”として大きな話題を呼んだ。日本ブームもあり、同国での日本映画への関心は確実に高まっている。

 だが同国では自国の映画産業を保護するスクリーンクォータ制を導入しており、年間の外国映画の上映本数は約64本(2015年、日本貿易振興機構の中国映画市場調査調べ)と限られている。その約9割をハリウッドが占めていると言われ、昨年、劇場公開された日本映画は11本。これが史上最多だった。ゆえに中国では、国際映画祭やこうした日本映画の特集上映が日本の最新作に触れる貴重な機会となる。今回のイベントも現地で5月16日に発表したところ中国版Twitterのウェイボーで反響が広まっていることから、追加上映の対応に追われているという。

 国際交流基金では今後も中国の複数都市で同様の映画祭を開催するほか、中国映画を日本で紹介する企画も行うという。また両国の政府レベルでも国際共同製作協定締結交渉が進められている。日中の映画界は常に政治に振り回されてきたが、この節目の年に大きな進展を迎えそうだ。(取材・文:中山治美)

最終更新:5/24(水) 10:10
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