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【オーストラリア】S&Pが中小銀23行を格下げ、住宅リスクで

5/24(水) 11:30配信

NNA

 大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がこのほど、オーストラリアの中小銀行23行の格付けを引き下げた。住宅市場の急な冷え込みに対するリスクが背景。また、連邦政府による大手銀行税導入により住宅融資利率が引き上げられた場合、住宅市場は低迷に向かうとの見方も浮上している。23日付地元各紙が伝えた。
 S&Pは、AMPバンクを「Aプラス」から「A」に、ベンディゴ・アンド・アデレード銀行(BAB)を「Aマイナス」から「トリプルBプラス」に、クイーンズランド銀行(BoQ)を「Aマイナス」から「トリプルBマイナス」にそれぞれ引き下げるなどした一方、大手5行の格付けは維持した。当局による融資規制の厳格化にもかかわらずシドニーとメルボルンの住宅価格の高騰が止まらず、世帯負債額も拡大していることを背景に、オーストラリアの経済リスク評価も3から4に引き上げた。
 BoQは、同行がトリプルBの評価を受けていた数年前よりバランスシートはずっと改善しているとし、今回の引き下げは「非常に残念」としている。これにより資本強化が必要となり、融資利率の引き上げにもつながり、大手銀行税の施行で中小銀の競争力が向上するとの見通しは短期的になる可能性があるとした。
 また、調査会社SQMリサーチは、大手銀行税導入により大手銀が住宅融資利率を引き上げた場合、早ければ今年後半にも住宅市場は低迷に向かう可能性があると指摘。すでに所得の3割をローン返済に充てている世帯が多いことを指摘し、これ以上の家計の圧迫に懸念を示している。
 ■大手銀行税収、予想より20億$不足?
 一方、大手4行は大手銀行税導入による納税額見通しを発表した。これによると、4行合わせた税引き後の納税額は初年度で9億6,500万豪ドル(約801億円)となり、予算案の政府予想の16億豪ドルを大きく下回る。大手銀行税対象5行のうちマッコーリー銀行の見通しは発表されていないが、業界内の試算では、政府が4年間で見込む税収62億豪ドルを約20億豪ドル下回るとみられる。
 大手銀行税法案は、グリーンズ(緑の党)が支持を表明しているため、与党が上院議会で少数党・無所属議員から1人以上の支持を取り付ければ可決される。

最終更新:5/24(水) 11:30
NNA