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カスリーン台風70年 水害の恐怖、教訓伝える

5/24(水) 12:00配信

茨城新聞クロスアイ

1947年9月に発生し、関東地方に甚大な洪水被害をもたらした「カスリーン台風」から今年で70年を迎える。水害の恐怖と教訓を現代に伝えようと、当時の被害状況を生々しく写した写真を展示する「自治体リレーパネル展」が、堤防が決壊するなどした利根川沿いの自治体で実施されている。本県では坂東市役所を皮切りに、24日から始まる。


国土交通省利根川上流河川事務所(埼玉県久喜市)によると、同台風は、停滞していた前線との相乗効果で記録的な豪雨をもたらした。利根川では24カ所計5・9キロにもわたって堤防が決壊し、北関東や埼玉県を中心とした1都5県で約23万ヘクタールが浸水。家屋の浸水は約30万戸、死者は1100人に及んだ。

本県の利根川沿川では旧中川村(現坂東市)の堤防が決壊。那珂川、久慈川、鬼怒川、小貝川、涸沼川など多くの河川も氾濫し、各地で大きな被害が出た。死者は58人、浸水や流失、倒壊した家屋は1万8000戸を超え、大きな傷痕を残した。

同台風から70年となるのに当たり、利根川の堤防が再び決壊した場合に大きな被害が出る恐れのある沿川49市区町と同河川事務所は1月、「利根川上流カスリーン台風70年実行委員会」を設立。地域住民に防災や避難の重要性を再認識してもらうことを目的に、啓発活動を繰り広げる。

パネル展も事業の一つで、4月に埼玉県加須市から始まった。これから12月にかけ、本県、埼玉、群馬、栃木、千葉、東京の各市区町庁舎や公民館などで順次開催していく。会期はそれぞれ1~2週間。

本県ではまず、坂東市役所で24~30日まで開催。その後、常総、守谷、取手、古河、境、五霞の各市町で開く。

パネル展示される写真は、堤防が決壊し水が流れ込んだ市街地の様子や、家を失い苦しい避難生活を送る被災者の姿、復旧工事の状況など。連合国軍総司令部(GHQ)が残した空撮写真や記録資料もある。また、同規模の洪水が起きた場合の被害想定を示す地図パネルも公開している。

同河川事務所の小栗幸雄副所長は「カスリーン台風の被害状況を見て、水害の恐ろしさに備えることの大切さを考えてほしい」と話している。  (小原瑛平)

茨城新聞社