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トンネル削孔パターンの最適化機能、大成建設が開発

5/24(水) 6:10配信

スマートジャパン

■掘削断面の余堀りを約50%低減

 大成建設は2017年5月、山岳トンネル工事における発破掘削(くっさく)時の作業性や安全性を高めるため、地山状況に応じて最適な削孔(さっこう)パターンを設定できる機能を発表した。同機能をドリルジャンボに搭載し、新名神高速道路王山トンネル工事作業所に試験導入したところ、掘削断面の余堀りを約50%低減できたという。

【掘削機械本体の改良も】

 山岳トンネル工事は大断面化、長距離化が進み、掘削時の高速施工に対するニーズが高まっている。そのため発破掘削方式による山岳トンネル工事では、切羽への装薬のための削孔時間削減、掘削断面の余掘りの低減などが重要な課題となっている。

 またトンネル工事では、岩盤削孔や削孔箇所への火薬の装薬、発破、ズリ出し、発破後の浮石除去、支保工施工というサイクルを繰り返しながら掘削するため、発破後に随時切羽の地山状況を観察、分析しながら作業を進めることが重要とする。

 同機能を搭載した機械は、目視情報と3Dレーザースキャナーを用いた断面計測結果から、図面化・定量化した情報を活用して削孔パターンを見直すサイクルを繰り返す。従来は目視情報のみで削孔パターンを計画していたが、同機能により地山状況に応じて最適な削孔パターンをその都度計画でき、掘削断面の余堀りを大幅に低減できる。

 掘削機械本体の改良も行った。ブーム操作に油圧制御を採用することで、一般的な電子制御を採用した削孔支援機能付きドリルジャンボに比べ、湧水や粉じんによる故障が少なく、国内のトンネル工事への適用性が高い仕様になっているという。

 また従来の機械より、バスケット用ブームの可動範囲を下方向と外側方向に拡大した。バスケットを用いた切羽への装薬作業範囲が拡大し、掘削工法の適用性が向上する。切羽からできるだけ離れたバスケットへの昇降も可能となった。大成建設は、リリース上で「万が一の切羽崩壊などに対して、作業者の安全性が向上する」とコメントした。

 「今後は、山岳トンネル工事に同削孔支援機能を搭載したドリルジャンボの導入を積極的に進めることで、生産性のさらなる向上に努めていく」(大成建設)