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【英自爆テロ】マンチェスターの悲劇は“対岸の火事”ではない

5/24(水) 16:58配信

東スポWeb

 英国中部マンチェスターで22日夜(日本時間23日)、米人気歌手アリアナ・グランデ(23)のコンサート会場で起きた自爆テロは死者22人、負傷者59人が出る大惨事となった。地元警察によると会場で手製の起爆装置を持った男1人が死亡。警察当局は23日、男はリビア系英国人サルマン・アベディ容疑者(22)とみられると明らかにした。かねて警備法が議論されている民間施設など「ソフトターゲット」が狙われた今回の事件で、2020年五輪を控える東京なども課題を突きつけられた格好だ。

 会場のマンチェスター・アリーナは、爆発は場外の公共スペースで起こったと説明。一方、場内のロビーで発生したとの情報もある。コンサートの終了間際か直後の犯行とみられる。

 過激派組織「イスラム国」(IS)はネット上に声明を発表し「ISの兵士の1人」が実行したと主張したが、具体的な結び付きには言及していない。

 英国では、15年にロンドンの地下鉄でISに傾倒したとみられる男がナイフで2人を負傷させたほか、今年3月には同じくロンドンの国会議事堂付近で男が自動車で暴走し、警察官を刺すなど4人死亡、50人が負傷する事件が起きていた。

 今回の犯行も単独犯とみられ、その手口からISや過激主義に感化されたローンウルフ系とみられる。その一つが現場から見つかった多数のネジやボルトだ。

「爆発物と一緒に金属片やクギ、パチンコ玉のようなものを入れると殺傷能力が高まる。この種の爆弾はアルカイダやISがネット上で製造方法を公開しており、素人でもできる時代になっている」(軍事関係者)

 この数年のテロで狙われているのが「ソフトターゲット」といわれる民間施設など警備が比較的緩い場所だ。一昨年のパリ同時多発テロで実行犯の一人はフランス対ドイツの国際試合が行われていたサッカー場の観客席での犯行を企てていた。昨年7月にフランス・ニースでトラックが突入し、84人が死亡した場所も花火大会会場だった。「入場時に手荷物検査や金属探知機チェックなど厳重な警備態勢を敷いても限界があり、イベント終了後はどうしても警備が緩やかになり、ごった返したところを狙われたらひとたまりもない。完全にテロを封じ込むのは不可能で、発生してからの対処が肝心になる」(前出の関係者)

 20年に五輪を控える日本はISの脅威にさらされていないが、IS入りを画策する若者が出てくるなど過激思想に傾倒しかねない“予備軍”が生まれつつある。マンチェスターの悲劇は対岸の火事ではない。

最終更新:5/24(水) 16:58
東スポWeb