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慈善活動に積極的な超富裕層たちの動向

5/24(水) 20:40配信

ZUU online

豪邸に住む、美食の限りを尽くす、世界中を旅行するなどの贅沢では一生かかっても使い果たせないほどの資産を持つ超富裕層の中には、慈善活動に取り組んでいる人が少なくない。こうした人たちは、なぜ慈善活動に勤しむのだろうか。

■超富裕層とは

「超富裕層」の定義は明確ではないものの、超富裕層は2つのグループに大別されることが多い。1つは国家元首とその一族で、もう1つは超巨大企業の創業者や経営者だ。

前者の情報はほとんど公開されていないが、サウジアラビア、UAE、カタール、クウェートなどの産油国や、イギリス、オランダ、モナコなどの欧州諸国の王室や国家元首の一族は、相当な資産を蓄えているはずだ。

一方、後者については企業や税務当局の情報開示により、ある程度の資産額を推測できる。米フォーブスは毎年長者番付を発表しているが、2017年の上位10人は以下のとおりだ。

1位 ビル・ゲイツ(アメリカ):総資産額860億ドル
Windowsなどのソフトウェア開発企業マイクロソフト共同創業者。現在は慈善事業財団Bill & Melinda Gates Foundationを運営。61歳。

2位 ウォーレン・バフェット(アメリカ):総資産額756億ドル
資産運用会社バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO。「買うのは企業、株ではない」など多くの語録を残している。86歳。

3位 ジェフ・ベゾス(アメリカ):総資産額728億ドル
ネット通販最大手アマゾンCEO。ワシントン・ポスト紙を買収したり宇宙開発事業に乗り出したりと、事業範囲を広げている。53歳。

4位 アマンシオ・オルテガ(スペイン):総資産額713億ドル
ファスト・ファッションZARAで知られるインディテックス創業者。80歳。

5位 マーク・ザッカーバーグ(アメリカ):総資産額560億ドル
フェイスブックCEO。2010年時点でフォーブスが発表した「世界で最も若い10人の億万長者」第1位。32歳。
6位 カルロス・スリム・ヘル(メキシコ):総資産額545億ドル
アメリカ・モービルを所有。ラテンアメリカの通信産業の中心的な存在。77歳。

7位 ラリー・エリソン(アメリカ):総資産額522億ドル
データベースをはじめとするビジネス用ソフトウェア開発会社オラクル会長。72歳。

8位 チャールズ・コーク(アメリカ):総資産額483億ドル
石油精製を祖業とし素材・エネルギー・金融関連事業を手掛けるコーク・インダストリーズCEO。81歳。

8位 デイビッド・コーク(アメリカ):総資産額483億ドル
チャールズ・コークの弟でコーク・インダストリーズ副社長。76歳。

10位 マイケル・ブルームバーグ(アメリカ):総資産額475億ドル
金融・経済情報に特化した通信会社ブルームバーグ創業者。第108代ニューヨーク市長。75歳。

日本人では34位の孫正義ソフトバンクグループCEO(59歳、総資産額212億ドル)、60位の柳井正ファーストリテイリングCEO(68歳、総資産額159億ドル)、250位の三木谷浩史楽天CEO(52歳、総資産額58億ドル)らが上位300人に含まれている。

■超富裕層が慈善活動に取り組む理由は2つ

超富裕層が慈善活動に取り組む大きな理由は2つあると考えられる。1つは慈善活動そのものの社会的意義とやり甲斐、もう1つは節税だ。

慈善活動では収益性を考えずに事業を行える。多様な奨学金事業だけでなく、特定分野に絞った支援も可能だ。政治家や官僚と異なり、幅広い層に対し平等に目を配る必要もない。自分が支援したい(成長させたい)分野にフォーカスを当てることができる。

世界一の資産家とされるビル・ゲイツは慈善活動のための財団を設立し、 「すべての生命は等しい価値を持つ(All lives have equal value)」という理念を掲げて、生命・医療、環境、農業、教育などに関する多数の慈善事業を推進している。ウォーレン・バフェットも同財団に多額の寄付をして、これらの活動を支援している。

慈善活動には税制上の利点もある。日本では課税所得の寄付金控除は、国、地方公共団体、公益法人などに対するものしか認められない。一方、欧米では幅広い寄付金控除が可能とされている。このため、資産家が節税目的で慈善活動を行う側面も否定できない。日本より所得税率が低く節税スキームも発達した欧米では、「税金を払うより自分で社会貢献事業を行う」という発想が強いとも考えられる。

いずれにせよ、超富裕層が個人的な利益獲得だけではなく、社会全体の厚生拡大に目を向けることは望ましいと言えるだろう。(提供:リーダーズオンライン)

最終更新:5/24(水) 20:40
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