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仮想デスクトップの性能劣化要因を自動で特定する新技術、富士通が開発

5/24(水) 10:27配信

ITmedia エンタープライズ

 富士通研究所は5月23日、仮想デスクトップシステムにおける、レスポンス低下などの性能劣化要因を特定する自動分析技術を開発したと発表した。

【開発した技術の概要】

 仮想デスクトップシステムのネットワーク上のパケットを監視することで、ストレージが原因となるボトルネックを分析する「ストレージ性能の分析技術」を開発。さらに開発済みの「仮想ネットワーク分析技術」を組み合わせ、性能劣化のボトルネックを自動的に特定できるようになった。運用管理者は、原因特定の切り分け作業に時間をかけることなく、また稼働中のシステムへ負荷をかけずに対策が行えるという。

 一般的に、仮想デスクトップシステムの性能劣化要因を特定するには、サーバ、ストレージ、ネットワークとそれらを仮想化したシステムの状態を総合的に判断して、ボトルネックになっている箇所や原因を特定する必要がある。

 そのため、疑いのある部分を探し、詳細な統計情報やログ情報の取得を有効化して分析することを繰り返すことになるが、分析作業で機器の処理負荷が上昇し、更なるレスポンスの劣化を引き起こすケースもある。特にストレージは、アクセスが集中すると輻輳(ふくそう)が発生しやすく、ボトルネックの大きな要因の1つとなるが、短いデータ単位で読み書きされるため、アクセス頻度が高く、全てのログを記録して分析するのは困難とされている。

 今回、開発したストレージ性能の分析技術では、ストレージ機器の入出力パケットの情報(リードとライトの種別、データ長、IDなど)についてパケットヘッダーを分析し、不要なデータ部分を削除するとともに、必要な一連の動作の特徴のみを抽出することで、ストレージの性能分析に必要な蓄積データを削減。迅速に分析できるようにした。

 また、性能劣化の分析技術は、サーバ・仮想マシン間ネットワークとストレージネットワークのパケットを数週間規模で蓄積し、網羅的に相関分析することで、システム全体からボトルネックとなっている場所を自動的に分析する。時系列で記録したストレージ性能とサーバ・仮想マシン間ネットワークのそれぞれの分析結果を基に、ストレージの状態と動作していたアプリケーション種別を関連付けて解析する。

 富士通がこれらの技術を仮想マシンが300台規模で稼働する環境で検証したところ、ストレージの性能分析に必要な数週間規模の蓄積データは約5分の1になった。性能劣化原因の推定、影響調査、再現、分析といった、運用管理者による一連の原因特定作業については、2日程度から2時間程度、約10分の1に削減できたという。また、従来は原因特定は1サイクルで特定には至らず、2~3回の繰り返しが必要なケースもあったが、同技術は網羅的に分析できることから1回で原因を特定できるとしている。

 同社では、今後、実用化に向けて仮想マシンが数千台規模で稼働する大規模な仮想デスクトップシステムでの検証を行い、2018年度中のサービス提供を予定している。