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巨人・菅野50勝 動くボールに込めた無言の“メッセージ”

5/24(水) 16:58配信

東スポWeb

 巨人・菅野智之投手(27)が23日の阪神戦(甲子園)に先発。7回無失点の力投でハーラートップの6勝目(1敗)、自身通算50勝目を飾った。7回には無死一、二塁のピンチを3者連続三振で切り抜けるなど“力勝負”の印象も強かったが、今季は動くボールを多投。そこには自身の投球に込めた無言の“メッセージ”があるという。

 試合後、菅野は淡々とした口調で「上位2チーム(阪神、広島)との6連戦の頭を、こういう形で取れたのは僕としては大きいと思います」と振り返った。通算50勝目は「節目なので、自分を見つめ直して(周囲に)感謝して。もっと勝ちたいし、勝たせてあげたいと思ってもらえる投球をしたい」と、かみしめるように語り球場を後にした。ちなみに109試合目での50勝達成は巨人では、上原浩治85試合、江川卓98試合、堀内恒夫108試合に次いで4位のスピードだ。

 この日は調子がいいわけではなかった。だが、スライダーを軸にワンシーム、カットボール、チェンジアップ気味のフォークと、直球系の動くボールでバットの芯を外した。ワンシームをなかば封印していた昨季とは大違いだ。その意図を菅野は「WBCで(動かすボールに対する価値観が)めちゃめちゃ変わりました」と明かし、こう続けた。
「WBCで日本のトップバッターがあれだけ打てなかったわけじゃないですか。あれで(他の投手が)思ってほしいんですよね。『こういうボールを投げれば日本のバッターも抑えられるんだ』って。そうしないと、日本のプロ野球の底上げにならない。次、WBCだったりとか五輪で金メダルを狙うには、そのボールを打つことが重要課題になったわけですから」

 ただ、チーム関係者は「彼の思いはそれだけじゃない」という。
「いまだに『変化球に頼ってはダメ』と言い続けている評論家たちに『動くボールへの理解をもっと深めてほしい』という思いもある。そういう人たちが、動くボールが主流の世界レベルの野球を受け入れてメディアに発信してくれれば、今後日本のレベルはもっと上がるんじゃないか。そこまで考えている」

 1点リードの7回、無死一、二塁のピンチを3者連続三振で脱した。特に3人目の糸井には渾身の151キロ直球で空振り三振を奪ったが、単にねじ伏せただけでなく、動くボールという“まき餌”があったことでより効果を発揮した。自らの投球を通して日本球界をレベルアップさせたいと願う菅野。これからもマウンドで“無言のメッセージ”を送り続けるつもりだ。

最終更新:5/24(水) 17:05
東スポWeb