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JASRAC、京大HP歌詞掲載に使用料請求せず「引用と判断」 音楽教室とは進展なし

5/24(水) 21:44配信

オリコン

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が24日、東京・けやきホールで定例記者会見を開いた。京都大学の山極寿一総長が4月の入学式で、ノーベル文学賞を受賞した米歌手ボブ・ディランの「風に吹かれて」の歌詞を含んだ式辞を述べ、大学のホームページにも掲載したことでJASRACが使用料を請求したと報じられた件に質問が集中した。浅石道夫理事長は「誤報です。JASRACが請求したということでは全くありません」と報道を完全否定。「(使用料が発生しない)“引用”と判断しています。請求はしません」と明言した。

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 京都大学のホームページに掲載された式辞全文には、ディランの「風に吹かれて」の歌詞と日本語訳が含まれる。JASRACによると、外部から歌詞が掲載されているとの指摘を受け、大学に問い合わせしたことは認めたうえで「京都大学さんとJASRACの共通した意見としまして、(使用料請求の)報道は誤報であると申し上げたい。京都大学さんがネット配信における著作権の引用に対してどういう意識を持たれているのかお話しをしている最中になぜかああいう記事が出てしまった。JASRACが請求したということでは全くございません」と強調した。

 また、JASRACが楽器の演奏を教える音楽教室から著作権の使用料を徴収する方針を決めたことを受け、ヤマハ音楽振興会が支払い義務がないことの確認を求める訴訟を7月にも起こす方針を固めたとされることにも質問が及んだ。

 浅石理事長は「窓口はずっと開けている状況ですが、話し合い自体は全くしていません。一歩も進んでないのが現状」と説明。来年1月からの使用料徴収開始を目指しているが、見通しについては「私どもとしてはできると考えております。相手様の都合もありますが、教室それぞれと根気よく話し合いを続ければ必ずできるのではないかと思っております」と話した。

 こうした話題が続き、JASRACに対しては「著作権料徴収」のイメージが強まり、世間からの風当たりも強い。浅石理事長は「JASRACという組織は一人ひとりの作家の集合体。作家個人の財産をどう守っていくのかという意識」と理解を求め、作詞家でJASRAC会長のいではく氏は「クリエイトするもの、そこが全ての出発点。利用する側は、そこに対して敬意をもう少し持ってもらえたらうれしいということなんです。空気と水と音楽、目に見えないものはタダなんだというような風潮が世の中にあること自体が困ったこと。クリエイトしたものに対して正当な報酬を払うんだという意識が徹底されれば」と著作者側の思いを語った。

最終更新:5/24(水) 21:48
オリコン