ここから本文です

複利で投資しないのは本当に非合理?~ソーシャルレンディング投資の例から

5/24(水) 22:15配信

投信1

最近、毎月分配型の投資信託(特に投資元本も分配原資とするもの)がやり玉に挙げられることが多くなってきています。

実際には業界が本当に問題としているのは運用会社、販売会社のインセンティブの仕組みや商慣行、それによる個人投資家への金融商品の販売の仕方だと思うのですが、話を(投資元本も分配する)毎月分配の投資信託がけしからんと言われる点に絞ると、そうした商品では複利での投資がやりにくく投資効率が落ちがちなのに、顧客に投資効率が落ちる投資方法を取ることになる商品をどんどん売るのはよくない、ということかと思います。

ただ、先日の経済紙での報道にもあった通り、個人投資家から「毎月お金がきちんと返ってくることで安心ができ、それがあるからこそリスクのある投資を始める、または続けることができる」という声があるのも事実です。

これは理論上の効率性とは別の軸の、人がリスクに対してどういう感情をいだくかという行動経済学のトピックの1つかと思いますが、より安心してリスク資産に投資するために複利の利益を放棄する行動は非合理的なのか、筆者が運営しているソーシャルレンディングを例にシミュレーションを行って検証してみます。

複利運用と単利運用による資産の増減の差はどのくらい?

ソーシャルレンディングは借り手の倒産リスクを取ることで国債等より高い金利を得る投資ですが、そのパフォーマンスは融資先が十分に分散されている場合、以下のような分布をするといわれています。

同じ資産に複利、単利で投資を行った場合の資産の増減の差異を見るために、以下のようなパフォーマンス分布を仮定して15年程度のパフォーマンスのシミュレーションを行います。

注1:ソーシャルレンディングのプロダクトは今後ローリスク・ローリターンの方に向かっていくだろうとの見通しに基づいて、3年ごとに仮定するパフォーマンス分布を変えています。

注2:試行したシミュレーションにおいて上記の分布は損失分布を得るために使用しており、平均値以上の値が出た年については一律平均値でパフォームしたものとしています。

以下にシミュレーション結果を5つほど例示しています。

左側が各年のパフォーマンス、右側が0年目に100を投資した場合の各年の資産価値(青線が複利で運用、黄色線が単利で運用)を表したものです。

どのケースでも複利での運用の方が、資産価値が増えています。

1/2ページ

最終更新:5/24(水) 22:15
投信1