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大手化学企業、強気の増産投資は大丈夫か?

5/24(水) 10:20配信

投信1

2017年3月期の決算では、大手化学5社も上方修正を交えて好調な実績をあげました。一方、2018年3月期はナフサ価格など原料価格、為替、設備稼働状況などから利益見通しは小幅な増益にとどまりそうです。大手化学株のモメンタムはピークアウトしたかもしれません。

トランプ大統領になって米国産業の国内回帰が加速し、米国化学メーカーによるシェールオイル/ガス由来の大規模国内プラント建設計画が発表されています。いずれアジア市場に製品が流入することは間違いなく、日本の化学企業への影響が懸念されます。

2017年3月期決算では汎用化学が収益に大きく貢献

5月16日の住友化学 <4005> の決算発表をもって大手総合化学企業の2017年3月期決算が出そろいました。住友化学、東ソー <4042> 、三菱ケミカルホールディングス <4188> が業績の上方修正を行うなど、総じて好調な実績となっています。

上述の3社に、旭化成 <3407> と三井化学 <4183> を加えた大手総合化学5社合計の2017年3月期営業利益は、前期比+5.7%と小幅な増益にとどまったものの、個別には東ソーの同+60.2%、三井化学の同+44.0%という2桁増益が目を引きました。

いずれの会社も汎用素材である石油化学、アルカリ電解事業の損益改善が最大のけん引役となっています。

原料であるナフサ(粗製ガソリン)の価格が比較的安値で推移し、アジア市場で総体的に需給が引き締まった石油化学製品価格とのスプレッド(利ザヤ)が想定以上であったことが増益幅を拡大させたと見られます。

2018年3月期は足踏みに

一方、2018年3月期は5社の営業利益予想を合算すると前期比+2.9%の小幅な増益にとどまりそうです。

原料のナフサ価格が2017年3月期実績の34,700円/キロリットルから37,000~42,000円/同に上昇すること、各社の石油化学プラントではほぼフル稼働が続き、さらなる増産/増販効果が見込めないことなどにより各社が慎重に構えているものと推定されます。

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最終更新:5/24(水) 10:20
投信1

チャート

住友化学4005
699円、前日比-8円 - 9/22(金) 15:00

チャート

東ソー4042
1257円、前日比-27円 - 9/22(金) 15:00

チャート

三菱ケミカルホールディングス4188
1050円、前日比-10.5円 - 9/22(金) 15:00