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リンゴ園 ネズミ食害対策 フクロウ営巣今年も着々 青森県弘前市

5/24(水) 7:02配信

日本農業新聞

 リンゴ樹を食害するハタネズミの対策に、天敵のフクロウを呼び込む取り組みが広まっている。青森県弘前市のリンゴ園では、今年もフクロウが戻ってきた。農家と連携して調査する弘前大学は、設置した巣箱7カ所で営巣とふ化したひな16羽を確認。昨年の調査では、フクロウが営巣した園地ではネズミが70%減り、食害が発生する根雪前まで密度を抑えることも分かった。青森市や長野県にも巣箱設置の活動が広がっている。

ふ化率100%

 日本に生息するフクロウ科は11種。リンゴ園でよく繁殖するのは、フクロウ目フクロウ科フクロウ属のフクロウ。北海道から九州まで生息する。同大学の東信行教授によると、繁殖中は、巣に運ぶ餌の70%以上がハタネズミで、成長期は1日3匹食べる。

 フクロウの高い捕食能力を生かすため、リンゴ園にフクロウを呼び戻し、ネズミの被害を減らそうと同大学の東教授らと活動するのが「下湯口ふくろうの会」。2014年から取り組み、今年は昨年より10個増やし、巣箱63個を設置。今春5個で営巣を確認し、4個の巣箱で11羽がふ化した。

 春先のネズミ生息数が少なかったためか、営巣数、産卵数ともに昨年を下回った。ただしふ化率は100%で、昨年の79%から大きく改善した。

密度半分に

 フクロウは2~4月産卵、5月ごろ巣立つ。同大学で研究する岩手大学大学院連合の大学院生ムラノ千恵さん(39)は、昨年営巣した7カ所の巣周辺100メートル以内の7園地でネズミ(成獣)生息数を調査。営巣後は、ネズミ生息数が50~92%、平均70%減少していた。

 ネズミの食害は、餌の草がなくなる根雪期に増える。冬は繁殖しないとされるため、成獣になると予想される幼獣を含めても生息密度は、4月のおよそ半分だった。

 フクロウは、ネズミが多い園地を選ぶことも分かった。どの巣箱もフクロウが試し座りした形跡があり、多くの巣箱を設置したことで、餌になるネズミが多い園地を選んだとみる。

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最終更新:5/24(水) 7:02
日本農業新聞