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商社の鋼管事業、最悪期脱出・収益改善。住友商事、今期は基礎収益トントン

5/24(水) 6:01配信

鉄鋼新聞

 商社の鉄鋼製品部門の中で、ここ数年低迷が目立っていた鋼管事業の収益が改善しつつある。各社ごとにばらつきはあるものの総じて最悪期を脱した。鋼管部門の比率が大きい住友商事が公表した事業損益によると、グローバルベースの鋼管事業の基礎収益(一過性損益を除いた稼ぐ力)は2017年3月期が125億円の赤字。これが今期は損益トントンとなる見通しだ。同じく鋼管比率の高い伊藤忠丸紅鉄鋼でも、600億円を投じて買収した米油井管問屋大手のスーナー社が「年が明けて2月以降、ノーマルなレベルに戻りつつある」という。

 住商の基礎収益を求める算式は「(売上げ総利益+販売費および一般管理費〈除く貸倒引当金繰入額〉+利息収支+受取配当金)×(1マイナス税率)+持ち分法による投資損益」。
 その他の鉄鋼商社でも、JFE商事が買収したケリーパイプ社が「昨年12月から単月黒字化」(JFEホールディングスの岡田伸一副社長)するなど相次ぎ好転している。鉄鋼商社各社は拠点閉鎖などリストラを進めているケースも少なくなく、固定費削減による体質強化が業績改善に結び付いている。
 鋼管などエネルギー分野向け鋼材の増加に対する期待感は大きく、住友商事は「リグカウントの緩やかな増加に伴い、下半期より収益改善」とみている。ただ本格回復にはまだ時間がかかる可能性もある。
 WTI原油価格は1バレル=50ドルを割るなど右肩上がりの上昇とはなっていない。ただリグカウントはボトムから倍になるなど環境改善の兆しは見える。とはいえ、リグカウントが増えているのは北米のオンショア市場であり、日本ミルが得意とする厳環境のオフショア案件は依然低迷している状況だ。
 シェールガス・オイルは技術革新で固定費が下がっており「シェールの供給増がネックで当面、油価上昇は見込めない」(商社首脳)との指摘もある中、さらなる業績改善に向けて油価の動向が気になるところだ。

最終更新:5/24(水) 6:01
鉄鋼新聞