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白老町の民族共生象徴空間 国立公園の施設配置計画公表

5/24(水) 15:46配信

苫小牧民報

 政府のアイヌ政策推進会議(座長・菅義偉官房長官)は23日、東京の首相官邸で第9回会合を開き、アイヌ文化復興のナショナルセンターとして白老町に整備する「民族共生象徴空間」を2020年4月24日に公開することを決めた。会議では国立民族共生公園や慰霊施設の具体的な説明もあり、古式舞踊で来館者を迎える円形型の「チキサニ広場」など国立公園の各施設整備方針や、慰霊施設に設ける高さ30メートルのモニュメントなどを示した。来館目標者数を年間100万人に設定し、今後、広報・宣伝活動を強化することも確認した。

 菅官房長官は会議で「固定観念や先入観を取り払い、アイヌの方々に寄り添った政策にしっかり取り組んでいかなければならない」と述べた。会議では作業部会の報告書が示され、主要な項目として(1)象徴空間の具体化の加速(2)政策の総合的な検討(3)国民理解の促進―の3項目を明記。象徴空間については国や地方公共団体などが協力して準備を加速するとした。

 ポロト湖付近に設ける国立公園の施設配置計画の概要によると、約10万平方メートルの敷地内にエントランス棟をはじめ、体験交流ホール、体験学習館、チキサニ広場、工房などを整備。このうちエントランス棟は国立アイヌ民族博物館に隣接し、扇状に2棟(建築面積合計約1300平方メートル)建設する。200人程度が団体利用できるガイダンス室、飲食、物販、展示、案内所などの機能を持たせる。

 国立公園の整備を所管する道開発局はエントランス棟について、「柱や床など建物の骨格は国が整備するが、内装の整備や運営は(年度内に指定される)象徴空間の運営主体が行う」としている。

 体験交流ホール(1650平方メートル)は半円形などのステージを設け、おおむね500~600人程度を収容。体験学習館は修学旅行など団体利用を想定し、200人程度を収容できる部屋を2室設ける。

 工房は2棟とし、体験学習室と工芸家の実演スペースなど20人程度を収容できる部屋を3室確保する。個人や少人数グループに対応する施設で、木彫や刺しゅうなど伝統工芸を見学したり、体験できる空間にする考えだ。

 ポロト湖東側の高台に整備する慰霊施設のモニュメントは「過去を忘れず、未来にわたり尊厳ある慰霊を実現するための礎」がコンセプト。アイヌ民族が伝統儀式で用いる「イクパスイ」(棒酒べら)をモチーフにした高さ30メートルの塔で、鉄骨製の楕円(だえん)柱をステンレスで覆い、フクロウなどのアイヌ文様を表現する。

 会議では一般公開に向けた新ロードマップも示した。今年度内の早期に象徴空間を運営する「運営主体」を指定。ほぼ同時期に象徴空間運営協議会を立ち上げ、17~22年度までの第1期中期事業計画を策定する。

 また、アイヌ民族に関する政策については、現行施策の改善方策を含めて総合的に考え、20年の象徴空間公開前をめどに基本法制定の可能性を検討するとした。

最終更新:5/24(水) 15:46
苫小牧民報