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ヤマハ発、東南アジアで初の大型2輪エンジン生産へ

5/24(水) 10:49配信

ニュースイッチ

インドネシア、内需主導型から外需依存へ構造転換急ぐ

 ヤマハ発動機は年内をめどにインドネシアで、2輪車の先進国向けモデルに搭載する大型エンジンの生産を始める。大型エンジンを東南アジアで生産するのは初めて。インドネシアからフランスやマレーシアに輸出する。欧米や日本での大型モデルの販売好調を背景に、為替や数量などの変動に強いグローバルな生産ネットワークの構築を目指す。

 子会社のヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチャリング(YIMM、ジャカルタ市)にエンジンの製造ラインを新設する。投資額は数十億円となる。排気量700ccクラスの2気筒エンジンを生産し、人気モデルの「MT」シリーズや「XSR」シリーズに搭載する。

 現在、同クラスのエンジンは本社工場(静岡県磐田市)で年間3万―4万台規模で生産している。大型モデルの販売増加で工場の生産負荷が高くなっているため、数千台をインドネシアに移管する。インドネシア生産分は当面、フランスやマレーシアなどの組み立て工場に供給する。

 新興国のエンジン生産は、市場の大半を占める小型モデル向けの排気量110―150ccの単気筒エンジンが中心。エンジンが大型化すると工程が増え、生産も難しくなる。インドネシアでは同250―300ccクラスのグローバルモデル向けエンジンを数年前から生産し、品質向上や人材育成に取り組んできた。

 ヤマハ発はリーマン・ショックの影響で国内生産を縮小した経験から「国内投資は慎重にし、世界全体で自由度が高くコスト競争力のある生産配置を目指す」(山地勝仁取締役上席執行役員生産本部長)としている。インドネシアでの大型エンジン生産はその試金石となりそうだ。

 2輪業界では大型エンジンの生産はまだ日本国内が中心。ホンダが日本とブラジルで生産する以外はスズキ、川崎重工業も国内のみで生産している。

<専門家の見方>
 繁忙度の高い国内生産の受け皿として、インドネシアへ初めて大型エンジンの生産移管となる。グローバルネットワークの確立と同時に、内需主導で成長を続けたインドネシア生産の構造転換を目指す動きの加速化とも言えるだろう。

 かつては、1,000万台市場に成長すると言われたインドネシア二輪車市場は想定外の低迷が長期化。2017年1-4月累計で前年比10%減、今年は500万台強に低迷するリスクが高まっている。

 インドネシアではグローバル中型モデルの生産基地化を進めてきたが、一段とグローバル生産を引上げ、内需から外需依存型ビジネスモデルへの転換を急がなければならなくなってきた。
(ナカニシ自動車産業リサーチ代表・中西孝樹氏)

最終更新:5/24(水) 10:49
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