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【マクラーレン・ホンダ】ザク・ブラウン独占インタビュー「勝てないと考えるメンバーはいない」

5/24(水) 19:47配信

motorsport.com 日本版

 2017年、F1はバーニー・エクレストンの手から新しいオーナー、リバティ・メディアの手に渡った。この移行に伴ってF1はより開かれたスポーツへと変身する気配を見せ始めた。時期を同じくして新しくマクラーレンのエクゼクティブ・ディレクターに就任したザク・ブラウン。ブラウンはアメリカ出身のマーケティング・グル。このF1の変化に敏感に反応して、マクラーレンをよりオープンなF1チームにすべく指揮を執り始めた。フェルナンド・アロンソのインディ500挑戦はその端緒だ。ココで成功すれば、マクラーレンは、そしてF1は大きく変わることになるだろう。

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リバティ・メディアはF1にとって最高の買い手だ

ーーF1が大きく変わろうとしている。長い間F1を導いてきたバーニー・エクレストンが去り、リバティ・メディアが引き継いだ。彼らはF1をこれまでの閉じ込められた世界から世間に開こうとしている。F1は変わりますか?

「リバティ・メディアはF1の最高の買い手だと思う。彼らはメディアを知り、スポーツを知り、十分な投資が出来る体力がある。それも、短期間で物事を片付けようとしておらず、10年あるいはそれ以上の時間をかけて基盤を固めてビジネスをしようと考えている。このF1プロジェクトを率いるチェイス・キャリー、ショーン・ブラッチーズ、ロス・ブラウンの3人は完璧なコンビネーションだ。彼らのリーダーシップはF1を良い方向に導いてくれると思う。12カ月前、CVCがF1を売却しようとした時には誰がF1を買収するのかも分からなかった。F1株の移行がどうなるのかもね。12カ月前はリバティ・メディアのことは誰も何も知らず混乱のまっただ中だった。それが今はどうだ。移行が加速して今や誰もがリバティのことは知っており、F1の所有権の移行がスムーズに完了したことも非常に前向きな要素になった。リバティが見事な仕事をしたということで、チェイスを中心にしたチームが素晴らしいコミュニケーション能力を発揮して上手くいった。F1はこれまでと一転して素晴らしい未来を獲得したということだ」

ーーたった12カ月で移行が完了した。短い期間の偉業に驚いている。

「リバティはどうやれば良いかをよく分かっていたんだろうね。リバティのCEOジョン・マローンがそういう点には長けていて、チェイスがその中心で上手く動いたことが実現を加速した」

ーーチェイス・キャリーはリバティの人間ではない。雇われてF1のCEOになった。

「そう、その通り。しかし彼はディレクTVのCEOとしてリバティと仕事をしていたから彼らは旧知の仲だし、ディレクTVをAT&Tに売却したのも彼。とにかくリバティに対して多くのビジネスを展開してきた。だから、私は彼らが短期間でF1を買収したことに対して驚きはしなかった。私は彼らを以前からよく知っており、彼らの力でF1がより良い方向へ進むと信じている。まず大切にしないといけないのはファンで、F1をファンが満足するスポーツに育てなければいけない。ファンが増えるとスポンサーは喜び、チームはより多くのスポンサーを獲得出来る。理想的な循環だ」

ーーリバティ・メディアもあなたもアメリカ出身だ。そのアメリカでF1は主役になり切れていない。これを機会に変化は起こりそうか?

「確かにアメリカではF1はそれほど多くのファンを掴んではいないが、フォローしている人達の気持ちは非常に熱いものがある。今、ふたつ目のアメリカGP開催を視野に、マーケティング、プロモーションを展開している。それらは新しいテリトリーとして、世界一金持ちの北米には大きなチャンスが転がっている。問題はアメリカにはスポーツが多すぎることで、それらの中でF1をブレークスルーしてインパクトを与えるには今のように年1回ではなくて、もっと開催回数を増やさなければいけない。F1は素晴らしいレースだが、それを知らしめるには1回では駄目だ」

 ブラウンはF1のアメリカナイズが成功を収めるだろうと宣言するが、この意見がアメリカもF1も熟知している人間から発せられたことに意味がある。確かにエクレストンのF1は閉鎖的だった。しかし、閉鎖的だったからこそ現在のF1のステータスが出来上がったとも言える。そのステータスを保ったまま、F1は新しい道を歩み出す必要がある。

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