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旅費全額の返還命じる…戸田市議の海外視察は違法支出/さいたま地裁

5/24(水) 22:36配信

埼玉新聞

 2013年の埼玉県の戸田市議5人による豪州視察は実質的に観光旅行だったとして、「市議の海外派遣をやめさせる会」の市民238人が、旅費を返還させるよう神保国男市長に求めた訴訟の判決が24日、さいたま地裁であった。森冨義明裁判長は豪州視察を「市議会の裁量権を逸脱し違法」として、旅費全額約240万円を市議に請求するよう市長に命じた。

 訴状によると、市議5人は13年10月16日から21日にかけて、姉妹都市である豪州リバプール市との交流のため現地を訪問した。市民側は「視察は実質的に1日だけで、残り3日間はシドニー市内の商業施設や郊外の動物園などを訪れていた」として、公費支出の違法性を主張していた。

 市側はシドニー市の訪問は治安状況の確認も含まれると反論したが、弁論では、市議会が具体的な派遣行程を示さなかったほか、シドニー市に関する検討・説明もなされていなかったことが明らかになっていた。

 森冨裁判長は判決で、1日を除き、5日間は移動時間やシドニー市内の観光名所や商業施設を視察していたことを認定し、「視察の場所や行程は、姉妹都市との友好関係を促進するという目的に照らして明らかに不合理」と指摘した。

 シドニー市の訪問についても、「治安状況や安全性の確認が含まれるとは到底認められない」と市側の主張を退け、市議会の裁量権を逸脱・濫用し、支出は違法と結論付けた。

 「市議の海外派遣をやめさせる会」代表の高坂美之留さん(79)は「裁判所は私たちの主張をよく理解してくれた。市長は判決を真摯(しんし)に受け止めてほしい」と求めた。

 同会は14年7月、239万4千円の返還を求めて住民監査請求を行ったが、翌月に棄却されていた。

 戸田市の神保国男市長は「判決文が届いていませんので、届いてからよくその内容を検討し、弁護士とも相談の上、今後の対応を考えます」とコメントを出した。

最終更新:5/25(木) 2:29
埼玉新聞