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長渕剛「負けを知って見える世界がある」新曲「Loser」リリース

5/24(水) 20:00配信

TOKYO FM+

長渕剛さんが、5月23日放送のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」にゲスト出演。パーソナリティのとーやま校長とあしざわ教頭が、24日リリースの新曲「Loser」について聞きました。

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とーやま校長「まず『Loser』の話をお聞きしたいです!」

長渕「『Loser』って意味わかる? 負け犬とか、負けるってこと」

とーやま校長「はい、ですよね。それで2年前の夏に富士山でとんでもない大目標を掲げて、全てを懸けられたわけじゃないですか。あんなにずっと天気が悪かったのに、朝の5時過ぎにとんでもない朝日が昇りましたよね。あれも剛さんと集まった10万人のみんなの思いが結集した証で大成功だったと僕は思います。去年もアコースティックLIVEツアーをやられたりしましたけども、次の曲が『Loser』っていうところが、どういう心境から生まれたものなのかがものすごく気になっています」

長渕「勝ったか負けたかっていう気持ちっていうのは、自分自身がどう感じるかってことだと思うんだよね。
例えば、ホームランバッターだった王貞治(元)監督が、その昔現役だった時代にお話を伺ったことがあるんだけどね。王さんは人一倍努力して、日本が復興しているあの時代に、庭の上の天井に高らかにホームランを打ったわけだ。そして、ホームランを打ち続けた。王さんがバッターボックスに立つと、みんなが“ホームランが打てて当たり前”と思う中で、選手である王さんがどういうホームランを打つのか期待してた。とにかく三振はできない。そしていつもいつもバーンってホームランを打ち上げた時に、みんなが“王さんは喜ぶときと喜ばない時がある”って言うんだよ」

とーやま校長「へ~!」

長渕「“喜ばない時”は、(ホームランだけれども)球の飛び具合、あるいはカーブが、自分の想像とは違うという時。ホームランの質や、歓喜の渦の中で自分が本当に今このタイミングで打ち込めたかどうか、そういうことを真摯に考えていた。そして『負けた』と思った時には、有頂天にならずに自分の家にこもって千本の素振りをやったんだって。そういう“絶対に有頂天になってはいけない”っていう話を、王さんから聞いたことがあるんだよ。
僕は王さんほど大きな人にはなれませんから、王さんの背中をずっとずっと追い続ける中の一人なんだけれども、富士がどうであったかとか何とかっていうのはひとつのプロセスであって、“勝ったか負けたか”っていうのは自分の中に色々あります。
そして僕は40年この歌の世界で生きてて、この世界で、あるいはこの国で、この街で、自分自身が勝ち続けていくことが、必ずしもいいとは思わない。負けを知って見える世界がある。負けを見つめて求めることのできる世界がある。
それは、“どうやったら勝てるか”っていうことですよ。それは、勝ち続けた人間にはわからない」

とーやま校長「確かにそうですね」

長渕「私たちはその昔戦争で負けたという、とても陰惨悲惨な姿を、モノクロビデオでドラマのようにたくさん観ます。だけども、現存したわけです。犠牲者もたくさん出た。その中で、私たち日本人は他国に負けないようにと徒党を組んで、一生懸命高らかに目指した。そう、王さんがホームランを打ったあの時のように。精神も高揚し、みんなで連隊を成して、グングン高度成長を築いていった。……さあ、そして今、勝ったのか、負けたのかと、僕は問いたい。
“なぜ、あそこで負けたのに、勝ち続けることを俺たちは選ばんのだ?”僕はそう思う。だから負けを見つめて、苦しみを共にして、仲間ができ、その仲間たちとゆっくりと坂を駆け上がり、汗と涙を共有し、“勝つために、生きるためには、お前と俺が必要なのだ”そういうことをいつも思いたい。
そして、『Loser』、俺たちは負け犬。しかし、負け犬とてひしゃげた気持ちで下を見るな。高らかに拳を握りしめて、上を見つめろ。隣はみんな負けた者同士だ。何が悪い! 行くぞ!  『Loser』だ!! うるぁ~~!! ……と、そういう気持ちで作ったんですよ」

とーやま校長「今の剛先生のお話を聞いた上で、改めてこの『Loser』を聴かせてもらったら、“♪オーオーオーオー”のところも、2017年の人間の“♪オーオーオーオー”だとずっと思っていたんですけど、1945年の人たちの雄たけびがそこに入ってもいたのだろうし、もしかしたら高度成長期とかの人の声もそこにあったんだろうし、すごく強大なものに聴こえてきました。だからこそ負けを恐れちゃいけないなとも思います」

長渕「俺はね、負けることは宝物だと思うよ。そしてまた、宝物にしなければいけないと思う」
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現在はレコーディング中だという長渕さん。夏にリリース予定のニューアルバムの進捗状況は75%。「まもなく頂上!」とのことでした。

最終更新:5/24(水) 20:00
TOKYO FM+