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「タンコロ」原画で追憶 昭和30年代の江ノ電沿線風景 絵本作家、鎌倉で展示

5/24(水) 6:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「タンコロ」という愛称で親しまれた江ノ島電鉄の単行電車を描いた絵本の原画展が、鎌倉市御成町にオープンしたギャラリーで開かれている。昭和30年代を舞台に、1両編成の江ノ電が走る沿線の風景がほのぼのとしたタッチで描かれている。

 作者の倉部今日子さん(57)=同市稲村ガ崎=が絵本「えのでんタンコロ」を出版したのは昨年7月。孫と一緒に江ノ電に乗ったおじいさんが、自身が子どものころ見た沿線の街並みを思い出すというストーリーで、柔らかな色合いの絵が心を和ませる。

 4年前、絵本作家として海と電車をモチーフにした作品でデビュー。20年以上沿線に住んでいるが、電車の資料を調べる過程で、江ノ電の歴史やタンコロの存在を知った。「タンコロを紹介する本はない。昭和30年代ののどかな風景も絵にしたい」と新作の構想を練り始めた。

 半世紀にわたってタンコロは活躍した。当時をできるだけ再現しようと、図書館などで写真や史料を数年かけて収集。完成した絵本には、高架になる以前の国鉄駅に隣接した藤沢駅や、タンコロ2両が連なって走る「続行運転」の様子など懐かしい営みが広がる。

 倉部さんは絵本を紹介する場として「水平線ギャラリー」を今月20日に開設し、来月4日まで原画展を開催。「タンコロは長い間人々に親しまれた。当時の雰囲気や電車に乗るときのワクワクした気持ちを世代を超えて共有してほしい」と来場を呼び掛ける。

 午前11時~午後6時。火曜定休。絵本も販売し、江ノ電愛好家による写真展も来月4日まで同時開催。