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違法搬送、捜査のメス 霊柩車の無許可営業

5/24(水) 8:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「白ナンバー」の霊柩車で遺体を搬送していたとして、県内や都内の葬祭業者が県警に摘発された。業界に長年はびこる全国的な課題だっただけに、国から許可を得て営業している県内の葬祭業者は「警察による無許可業者の摘発は喜ばしい」と歓迎している。

 全国霊柩自動車協会によると、白ナンバーの霊柩車は以前から「出ては消え、消えては出てくる」存在という。リーフレットなどで「霊柩車の違法な搬送を許しません」と注意を呼び掛けているが、なくならないのが実情だ。

 背景には、コストを免れる目的がある。国の許可を得る手続きには、行政書士への報酬や税金などで約50~100万円の費用がかかるほか、営業所や車庫、乗務員の休憩・睡眠施設なども必要になる。

 許可取得後は国の管理・監督を受けることから、ある行政書士は「金銭的負担に加え、管理・監督を煩わしいと考え許可を取らないのかもしれない」と指摘。書類送検された業者も、県警の調べに「増車に必要な運行管理者と整備管理者を雇う(資金的な)余裕がなかった」「2回ほど許可を取ろうとしたが、途中で面倒になって断念した」などと話しているという。

 一方、今回の摘発の端緒は川崎市の情報提供だったものの、行政のチェックは厳しいとは言えない。

 公営の火葬場がある県内自治体の職員は「白ナンバーが出入りしており、好ましくない」と把握しながらも、「白ナンバーで遺体を運んできたからといって、火葬しないわけにはいかない」と明かす。別の自治体職員も「霊柩車が許可を受けているかどうかよりも、時間通り来るかどうかの方が気になる」と言う。

 ただ、同協会の担当者は「許可を受けていなければ会社の資金力も不透明。例えば事故が起きて遺体に傷がついてしまった場合などには、責任問題でトラブルになりかねない」と、利用者に影響しかねない問題と強調する。今回の摘発を契機として、全国的に取り締まりが強化されていくことに期待を寄せている。