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MUFGがアマゾンにシステム移管を計画、銀行のシステムなのに大丈夫なの?

5/26(金) 8:00配信

THE PAGE

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、ある大きな決断を下したことをめぐってIT業界に激震が走っています。銀行の心臓部ともいえる基幹系のシステムをすべてアマゾンが運営するクラウドに移管する計画を立てたからです。銀行のシステムがクラウドに移管されるというのは、どういうことなのでしょうか。

 銀行はお金を管理するのが仕事ですから、銀行の情報システムは極めて高い信頼性が要求されます。特に勘定系という基幹部分のシステムについては、メインフレームと呼ばれる専用の大型コンピュータが用いられていました。最近ではパソコン(PC)の信頼性や性能が格段に向上してきたことから、PCの技術を使って勘定系を構築するケースも出てきていますが、高いコストをかけてシステムの管理を行っているという点では従来と同じです。

 しかし銀行にとって、こうした「重たい」システムを維持・管理することはコスト的に大きな負担となっています。報道によるとMUFGは、三菱東京UFJ銀行などが保有するシステムを順次、アマゾンが運営するクラウド・サービスに移管する計画を立てているそうです。

 アマゾンはネット通販企業として知られていますが、実は企業向けの情報システム企業としても、世界でトップクラスとなっています。同社が運営するクラウド・サービスであるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は、全世界で数百万台(推定)のサーバーを保有しており、すでに122億1900万ドル(約1兆3600億円)もの売上高があります。クラウドのビジネスだけで1兆円を超える企業というのは、世界でもアマゾンしかありません。

 クラウドでのシステム運用は圧倒的にコストが安く、すでに多くの企業がアマゾンへのシステムの移管を進めています。日本でもユニクロを展開するファーストリテイリングがアマゾンへの移管を行っていると報道されています。

 アマゾンのクラウド・サービスでは、サーバーはアマゾンが運用しますから、この部分の信頼性についてはアマゾンに依存せざるを得ません。しかしシステムの信頼性というのは、システム全体をどのように設計するのかという部分に大きく影響され、この部分については移管する企業がどのような設計ポリシーで臨むのかというところにかかってきます。したがって直接、サーバーを保有しないクラウドが一概にリスクが大きいと考えることはできません。

 クラウドのようなサービスは規模が大きくなるとスケールメリットが追求できますから、信頼性やコストも含めて、今後、さらにサービス・レベルが上がる可能性が高いと思われます。「私たちのお金の計算がアマゾンで?」と想像すると、少し不安になりますが、時代は進んでいると考えるべきでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/1(木) 6:07
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