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新ブランド豚生産へ 県が体制整備、来年販売開始目指す

5/25(木) 9:00配信

茨城新聞クロスアイ

茨城県産の新たなブランド豚(銘柄豚)の導入に向け、県は本年度、生産体制の整備に乗り出す。霜降りの入ったやわらかい肉質と芳醇(ほうじゅん)なうま味が特長で、全国の有名ブランドと肩を並べる「茨城発」のトップブランドを目指す。百貨店や高級レストランなどを主要ターゲットとして販売を広げ、量販店向けが中心の本県の銘柄豚「ローズポーク」ともすみ分けを図る。本格的な生産開始に向け、畜産農家に供給する交配用豚の繁殖用豚舎などを整備するほか、ブランド確立のための生産基準づくりなども進め、2018年の販売開始を目指す。


新たなブランド豚を育成したのは県畜産センター養豚研究所(稲敷市)。11年から選抜を開始し、昨年12月に「系統豚」として日本養豚協会の認定を受けた。霜降りの度合いを示す筋肉内脂肪含量は5%と極めて高く、一般的な輸入豚肉の1%、国産豚肉の2~3%を大きく上回る。ブランド名は年度内にも決定する。

系統豚は、一定の血縁関係で結ばれた、能力にばらつきの少ない優れた豚の集団。国内で生産する豚は、3品種の系統豚を交配する三元豚が一般的で、新ブランド豚も「ランドレース種」と「大ヨークシャー種」を交配した母豚に、「デュロック種」の雄を掛け合わせる。3品種の組み合わせはローズポークと同じだが、県が独自に選抜したデュロック種を交配することで高い肉質を実現した。

県はデュロック種の提供に向け、今夏以降、同センター内に繁殖用、子豚育成用、分娩(ぶんべん)用の豚舎3棟を整備。系統豚を維持しながら、雄豚やその種を畜産農家に供給する体制を整える。本年度は生産試験として肉質の調査などを行う。

さらに、畜産農家、関係団体などと共同で研究会を設立し、与える餌などの統一基準や流通方法の検討も行う。ローズポークなど一般の国産豚肉と比べ、100グラム当たり50円程度高い価格帯での販売を目標とし、首都圏の百貨店、有名レストランなどでの取り扱いを増やすことで、知名度向上を図っていく。

15年の本県養豚の産出額は全国6位。ここ数年、産出額に大きな変動はないが、他県農家の大規模化を受け、家族経営が多い本県は順位を落としつつある。県畜産課は「大規模化が難しい農家でも品質に差をつけられれば、収入増加が見込める」と期待する。

新ブランド豚は25年までに年間7万頭の出荷を目指す。同課は「ローズポークに加え、新ブランド豚を売り出すことで本県養豚の競争力を高めていきたい」と力を込める。(磯前有花)

茨城新聞社