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ワールドワイドで高評価を集めた『カオスセンチュリオン』がついに日本でも配信開始! 実力派集団・オリフラムを訪問!【ファミキャリ!会社探訪(49)】

5/25(木) 12:02配信

ファミ通.com

●“ファミキャリ!会社探訪”第49回は、オリフラム!
 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。第49回となる今回はオリフラム。
 同コーナーには2度目の登場となるオリフラムは、スクウェア・エニックスやディー・エヌ・エーで多くのタイトルに携わった池田隆児氏が2014年2月に起業。配信前から注目を集めていた『カオスセンチュリオン』が、2016年11月に北米、欧州、アジアなどのApp Storeで配信され、日本でも4月17日より満を持して配信が開始された。休む間もなく、第2作目の開発へ取り掛かっている同社・代表取締役の池田氏に話を聞いた。

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●『カオスセンチュリオン』、いよいよ日本でも配信!
――前回、“ファミキャリ!会社探訪”(記事はコチラ)で伺ったのが2015年12月、それから約1年半が経過しましたが、そのあいだはどのような業務をされてきたのでしょうか?
池田隆児氏(以下、池田) 『カオスセンチュリオン』の開発をずっとしていましたよ。大きな会社だと、予算の関係やゲームの流行もあるので、いつごろまでにリリースしなければいけないという話になりますし、それはもちろん正しいことです。しかし我々は、長いあいだそういった開発現場で働いてきて、ゲーム以外にも興味が持てるようにならないと、本当にいいものを作ることはできないと考えるようになりました。こだわりを持ってゲームを作っているので、焦りはありません。おかげで、無理なスケジュールで開発することもありませんでした。

――なるほど。ということは、自分たちが満足できるゲームができたので、いよいよ配信になったと?
池田 そうですね。一方で、我々は投資を受けている立場なので、限られた予算のなかでゲームを完成させなければいけません。「急がなければならないが、焦ってはいけない」ということです。それから、スタッフの“熱量”が熱いうちに作らないとダメです。でも焦ってはいけない。そこが難しかったです。

――池田さんはクリエイターであり、また経営者でもあるわけで、そのバランスを取るのが難しかったのではないですか?
池田 いえ、それよりも、やはり“いいゲームを作る”ことのほうが難しかったです。経営や労務などは、ルールがしっかり決まっています。しかし、ゲーム開発には正解がなく、教科書もありませんからね。

――その『カオスセンチュリオン』は、2016年11月に海外で先行配信されましたが、手応えはいかがでしたか?
池田 まず、北米、欧州、アジアなどでリリースしたのですが、なぜかタイで非常に人気がありました(笑)。プレイヤーが、現地の言葉で熱いメッセージを送ってきてくれたので、翻訳してもらって、返信もしました。感謝の気持ちを込めて、言語にタイ語を追加しました。反応は、想定の範囲内です。課金要素が弱く、無料でもかなり遊べるものになっていましたし、また少しエグイ世界観なのですが、その“エグさ”があまり伝わらなかったようにも感じます。好きな人は本当にハマってくれましたし、女性のプレイヤーが4割ほどいたのは意外でした。

――日本でもいよいよ4月17日に配信されました。いわゆるローカライズ、カルチャライズは行われたのですか?
池田 海外版との差異はなく、言語面でのローカライズのみです。カルチャライズといえば、最初から北米市場に向けたゲーム作りをしてきました。北米を軸にはしていますが、全世界で認められる内容になっていると思います。

――『カオスセンチュリオン』について、簡単に教えてください。
池田 基本無料でプレイできる、横スクロールタイプのリアルタイムストラテジーゲームです。さまざまな兵種のキャラクターを集める楽しさ、部隊の編成や配置を工夫するおもしろさもあります。ビジュアルにピンと来たら、きっと楽しんでいただけると思います。また操作性がよく、サクサクと動きます。ローディングなど、ほとんど待ち時間を感じないはずです。
 課金用のキャラクターは、かなり豪華です(笑)。課金要素についてですが、最初から本作ではガチャはやらないと決めていたので、そこは貫きたいな、と。とはいえ、キャラクターが魅力的なので、キャラクターを直接購入できる“キャラバン”という機能もあります。

――プレイした方から、「こんなキャラクターがほしい」といった要望はありましたか?
池田 ありました。直接メールが届いたり、カスタマーサポート経由でご意見をいただいたりします。「こういうキャラクターが欲しい」とか、「このキャラクターは、こうしたほうがいい」とか。このゲームが大好きだから、もっとよくしてほしいというアツい意見が多いので、そういった意見にはなるべく応えるように検討しています。だから、どんどんと意見や希望を送ってほしいですね。課金を含め、プレイヤーが応援してくれればくれるほど、どんどんよくなっていくゲームだと思います。

●2作目のロケーションゲームは絶対の自信作に
――会社設立から3年が経過しましたが、現在の社内事情や開発環境について教えてください。会社の雰囲気等は、設立当時と比べて変わりましたか?
池田 スタッフも増え、会社として安定してきた印象があります。それから、ゲームは『カオスセンチュリオン』に続く2作目を作っています。さまざまなアイデアを詰め込んだロケーションゲームなのですが、だいたいのゲームシステムは固まっています。ロケーションゲームといえば『ポケモンGO』ですが、『ポケモンGO』に勝てるゲームはなかなか作れないですし、メーカーや開発者も、ロケーションゲームに対して慎重になっていると思います。僕は『Ingress』も『ポケモンGO』も本当に遊び尽くしたので、ロケーションゲームの本質はわかっているつもりです。我々が作るロケーションゲームでは、『ポケモンGO』とも『Ingress』とも違う、まったく新しい世界が体験できるはずです。

――それは楽しみです。ゲーム内容について、少しだけ教えてください。
池田 実在のマップ上にデッキを構成していく感じになりますが、たとえば、弊社の近所にある新宿中央公園のように、各地の有名なランドマークは所有したくなりますよね?(笑) そんなふうに、ふだんはほかのプレイヤーと陣地を巡って小競り合いをしているのですが、ときどき天災のように強力な巨大モンスターが皆さんの住んでいる街を襲ってきます。そのときはライバルのプレイヤーとも一時的に休戦や同盟を結び、協力して討伐することもあるでしょう。しかし、ガチで攻略したいときは、現地に行かないといけないとか(笑)。もちろん、全世界で展開する予定です。

――現在は、『カオスセンチュリオン』の運営やアップデートと、2作目の開発を行っているわけですね。ちなみに、そのロケーションゲームはいつごろリリース予定なのですか?
池田 まずは、企画とビジュアルを先にしっかりと詰めようと決めています。『カオスセンチュリオン』は、同時進行で開発していたので、たまに作業が止まってしまうスタッフがいるなど、時間を有効に使い切れなかった部分がありました。2作目は、僕とイラストレーターのふたりで、とにかくストーリーと世界観をしっかり作っている段階。なんとなく先が見えてきたので、今後は他社さんと協業するなどして、そこから先は、一気に完成まで仕上げる予定です。遅くとも、2018年中には出さなければいけないと思っています。

 ここで池田氏は、同社のプログラマー・小山達矢氏を紹介してくれた。池田氏曰く、ディー・エヌ・エー在籍時代に一目置くほどの存在だったという小山氏。池田氏の「いつか、いっしょに仕事をやりたい」という願いが叶い、現在はプログラマーとして、オリフラムでいかんなく実力を発揮している。

――小山さんは、どういった経緯でオリフラムへ転職されたのですか?
小山 池田とは、ディー・エヌ・エー時代に同じ部署でした。直接いっしょに仕事をしたことはなかったのですが、見ていて「おもしろい人だな」と思っていました(笑)。ゲーム開発について造詣が深いと言うか、「わかっていらっしゃる」と。いっしょに仕事をしてみたいという気持ちがありましたが、その後退職されたので、残念に思っていました。しばらくして、新しい会社を立ち上げたという話を聞き、「いいな」と思っていたら、向こうからも話があり、転職することになりました。

――と言うことは、もともと転職する気はなかった?
小山 確かにディー・エヌ・エーで働いていたときは、何ら不満はありませんでした(笑)。ただ、池田とオリフラムという環境で働くほうが魅力的に思えたので転職しました。ちょうど1年ほどになりますね。

――池田さんとの仕事のほうがより魅力的だったと。
小山 そうですね。それと、ディー・エヌ・エーには新卒で入って約6年在籍したのですが、だいたいそのくらいの時間が経つと、少し環境を変えてがんばってみたいと思うようになるのかもしれません。

――オリフラムにはプログラマーとして転職されたのですか?
小山 池田からは、「新しいゲームを1本考えてくれ」くらいの勢いで誘われましたが、現在は『カオスセンチュリオン』の開発が中心です。池田のほうは2作目のロケーションゲームにシフトしつつあるので、『カオスセンチュリオン』にアイデアから考えた企画を実装するなどしています。日本配信に際し、QAも行いました。

――小山さんから見たオリフラムはどういった会社でしょうか?
小山 小さい会社ですが、若いベンチャー企業という感じではないです。というのも、これまでにゲーム業界でかなりのキャリアを積んできた人たちが集まっている集団なので、少数精鋭の会社だと思っています。

●転職は決してネガティブなものではない
――わかりました。ここからは池田さんにも戻っていただきます。こういう人に来てほしいなど、求人に対する希望はありますか?
池田 ゲームがとにかく好きな人ですね。“ゲーム愛”が強い人が前提条件です。そして、柔軟性のある人。もちろん、スキルはとても重要視しています。ゲームが大好きで、常人を逸したスキルがある人(笑)。技術的なスキルではなく、“人柄”でもいいですよ。その人以上の人格者はいないと思えるような人(笑)。

――それから、オカルトの知識が深いとか(笑)。
池田 オカルトの知識は、僕が持っているからそれほど必要ないです(笑)。それから、若手も大歓迎です。ときどき、「え、その年齢でそんなスキルを持っているんですか?」というエンジニアもいますから。スクウェア・エニックス時代、僕が『キングダム ハーツ』を作っていたのは、22~23歳くらいでした。24~25歳で『キングダム ハーツII』、26歳で『ディシディアファイナルファンタジー』のメインプログラマーをやっていたわけです。本来、若手のクリエイターがもっとたくさんいてもおかしくないはずなのに、最近は開発者の高齢化が進んでいて、全然若手がいないんですよ。
小山 ゲーム開発には、一点突破型のエキスパートタイプの人も必要ですが、人数が少なく、しかもオリジナルタイトルを作っている会社なので、総合力というか、ゲーム全体を考えて仕事ができるタイプの人がいいですね。少人数ゆえに、ひとりがいろいろな領域を見る必要がありますが、それは逆に裁量を持って仕事ができるということでもあります。

――それでは最後に、現在転職を考えているクリエイターにひと言お願いします。
池田 日本では、まだ転職に対する恐怖感やネガティブな感情があると思います。海外ではそんなことありませんし、自分のスキルを活かせる職場のほうがいいはずです。日本のゲーム業界では、スキルさえあればどこでも働けるので、それほど怖がる必要はありません。スキルを磨いて、実績を積み重ねていけば、何歳になっても勝負できますから。
小山 現在のゲーム業界では、転職することにあまりリスクはないと思います。中堅以上の方だと、弊社のような小規模の会社への転職に抵抗があるかもしれません。しかし、その経験は必ず今後の評価につながります。
池田 自分のスキルを磨くことと同時に、転職に対して恐怖感を持たないでください。転職先で、いままでにない新しい体験ができるのも、大きな魅力だと思いますよ。

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<オリフラムってどんな会社?>
 スクウェア・エニックスやディー・エヌ・エーなどで活躍した池田氏を始め、大手ゲームメーカーで数々のヒット作を生み出してきた実力派クリエイターが結集し、2014年2月に設立されたオリフラム。コロプラが出資するなど、注目を集めているデベロッパーだ。配信前から高い注目を集めていたデビュー作の『カオスセンチュリオン』は、荒廃した未来世界を舞台にしたリアルタイムストラテジーゲーム。2016年に海外で先行配信され、日本でも4月17日に、App Storeでいよいよ配信がスタートした。文中にもあるように、現在は2作目となるロケーションゲームの開発にも着手している。

・『カオスセンチュリオン』Twitter → こちら
・『カオスセンチュリオン』Facebook → こちら

株式会社オリフラム
●代表取締役:池田隆児 ●設立年月日:2014年2月
●従業員数:16名(2017年5月25日現在)
●事業内容:ゲーム制作、コンテンツ制作 ほか

最終更新:5/25(木) 13:06
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