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【ミャンマー】少数民族との和平会議開幕 スーチー氏、停戦と連邦制に意欲

5/25(木) 11:30配信

NNA

 ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が主導する政府と少数民族武装勢力の全面和平実現を目指す「21世紀パンロン会議」が24日、首都ネピドーで始まった。昨夏以来約9カ月ぶり2度目の開催。スー・チー氏は冒頭に演説し「平和と安定が、全ての国民が共存する民主的な『連邦国家』を実現させる」と強調した。
 和解実現を政権の最重要課題と位置付けるスー・チー氏が主導する会議の開催は、当初予定の2月から約3カ月ずれ込んだ。今回は国内に約20ある主な少数民族武装勢力のうち、2015年に政府との停戦協定(NCA)に署名した8勢力のほか、中国国境付近を地盤とする7勢力が中国の後押しを受けて参加した。未署名勢力の連合組織で、主導役だったカチン独立軍(KIA)などが離脱した統一民族連邦評議会(UNFC)の5勢力は「特別ゲスト」としての参加資格を不服として参加しなかった。
 政府は未署名勢力との停戦合意を急ぐが、テイン・セイン前政権下で8勢力が署名した後、新政権下で署名した勢力はない。政府は今回の会議で、未署名勢力との合意を目指すのと並行し、連邦国家実現への地ならしをしたい考えだ。
 前回会議では各勢力の代表がそれぞれの主張を発表、踏み込んだ議論は行われなかったが、今回は「連邦国家の基本原則を議論する段階に来た」(スー・チー氏)。少数民族への権利付与について「政治」「社会」「経済」「土地・天然資源」の4分野ごとに議論。ただ武装勢力側が難色を示す武装解除を含む「治安」の議論は先送りした。
 スー・チー氏は、多数派ビルマ民族の支配に反発してきた少数民族の権利を認める連邦国家を目指す方針を打ち出しているが、実現は容易ではない。前段となる停戦協定を結んだとしても、少数民族に与える権利を巡る調整が必要なほか、連邦国家への移行には、軍の特権を定める現行憲法の改正も伴う。
 会議は、スー・チー氏の父親でミャンマー独立の英雄アウン・サン将軍が1947年、北東部シャン州のパンロンで少数民族代表と会談し連邦制や自治権を認める協定を結んだ場所にちなみ、「21世紀パンロン会議」と名付けられた。全土和平や連邦制の実現は47年に暗殺された父親の悲願でもある。
 ■中国が影響力誇示
 停戦協定に未署名のまま会議に参加した7勢力は、ワ州連合軍(UWSA)が中心となって4月に組織した「政治対話委員会」に参加している。うち中国系コーカン族のミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、タアン民族解放軍(TNLA)、アラカン軍(AA)の3勢力について、ミャンマー政府は国軍の反対で招かない予定だったが、22日にスー・チー氏とミン・アウン・フライン国軍総司令官がそれぞれ首都ネピドーで中国外務省の孫国祥アジア問題特使と会談した後、一転容認した。
 TNLAは、政府から22日夜に招待状を受け取ったとし、中国の要請を受け参加すると表明した。7勢力の代表は23日、中国が用意した飛行機で同国南部の雲南省昆明から会場となる首都ネピドーに到着。中国が影響力を誇示した。
 会議には各国外交団らを含め、総勢約700人が参加。日本からはミャンマー国民和解担当の日本政府代表を務める日本財団の笹川陽平会長も参加した。会期は28日までの5日間。

最終更新:5/25(木) 11:30
NNA