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日本人の血液型信仰 「B型」のイメージが悪いのはなぜ?

5/25(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 A型は神経質、B型は自己中心的、O型は大ざっぱ、AB型は変人――。血液型を尋ねられて、嫌な思いをした人は少なくないだろう。なかでも、日本人には“B型嫌悪”が根強い。それはなぜなのか?

 そもそもの起源は、東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)教授、古川竹二氏の論文「血液型と気質」(1927年)だ。親族11人の血液型と性格を観察し、B型とO型は能動的、A型とAB型は消極的と結論付けたことから始まった。聖徳大学心理・福祉学部心理学科の山岡重行博士が言う。

「血液型と人間の特性を結び付けたのは、人種差別の理由付けといわれています。1910年代、ハイデルベルク大学のデュンゲルン博士は、ドイツ人とドイツ在住の外国人の血液型、動物の血液型を調べた。すると、東洋人は白人よりB型が多く、チンパンジー以外の動物もB型が多かった。それで、東洋人は白人より劣っていて、動物に近いと結論付けたのです。古川教授の研究は、時代背景から見てもデュンゲルンの発表を否定し、日本人の優秀さを示したかったのではないかと考えられます」

 もっとも、古川教授の研究は身内の調査。サンプル数も少ないし、科学的根拠はない。その後、血液型に関する研究は下火になったが、1970年代以降、放送作家の能見正比古氏が「血液型人間学」や「血液型性格分類」などを出版。次々に血液型に関する書籍やテレビ番組が登場し、血液型ブームが起きた。

 この現象を踏まえ、前出の山岡博士は1999年から2014年にかけて、首都圏の私大5校の男女8772人を調査。血液型性格診断に科学的な根拠はなく、社会的多数派から少数派への差別に基づくものだったと結論付けた。

「70年代以降、A型、O型に対する悪いイメージはほとんどありません。それは、これらの血液型で日本人の7割を占めるから。続いてB型が多く、AB型が一番少ない。だからAB型は差別されていたのですが、90年代後半から、テレビ番組などのAB型の表現が『変人』から『天才型』に変わった。それでB型が最もネガティブな血液型になったのです。人間は分からないものを分かりたい欲求が強く、初対面の人や親しくない人に“ラベルをつける”ことで、判断しようとする。安心するんですね。星座占いなんかもそう。これが、血液型性格判断がなくならないゆえんです」