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イタリアG7サミット、初参加のトランプ大統領 安倍首相が橋渡し役か

5/25(木) 15:00配信

日刊工業新聞電子版

「反保護主義」掲げず?

 イタリア南部のタオルミーナで26、27の両日、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開かれる。世界経済や貿易問題について議論されるが、最大の関心事は、首脳宣言で例年通りに「反保護主義」の表現が盛り込まれるかだ。「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領が初参加する中、事前予想では米国の反対により同文言は盛り込まれない可能性も浮上している。

 今回のサミットは、G7出席12回目となるドイツのメルケル首相、6回目の安倍晋三首相が豊富な経験を基に、議論をリードするとみられる。だが、最も注目されているのは初参加のトランプ米大統領だ。外務省幹部は「G7の中でトランプ大統領と最もコミュニケーションが取れているのは安倍首相」と指摘。安倍首相には、トランプ大統領とほかの出席者との橋渡し役が期待されている。

 焦点となる自由貿易の拡大について意見交換がなされるが、トランプ大統領は多国間ではなく、2国間の貿易交渉を好み、さらに交渉相手国には一方的に対米貿易赤字を減らすよう求める、米国流の「公正な」貿易を望む。自由貿易とは言いがたい交渉スタイルで、事実上、米国自身が自由貿易をうたう言葉を国際会議の宣言に盛り込むことを避ける。

 先に開かれたG7の財務相・中央銀行総裁会議では、米国の反発で反保護主義の文言は宣言に盛り込まれなかった。トランプ大統領は1月の就任後、公約に掲げた法人税の大幅減税といった目玉施策が議会の反対で思うように進んでいない。

 「唯一の成果が環太平洋連携協定(TPP)からの離脱」(米国の専門家)との声もある中、自由貿易に舵を切るのは容易でない。サミットが始まる前から、関係者の間では反保護主義でG7が一致することはないとの見方も出ている。これまで結束を誇ってきたG7だけに、打ち出すメッセージが注目される。