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「モラルを疑う」pixiv上のR-18小説を“晒し上げ” 立命館大学の論文が炎上 今後の対応は

5/25(木) 14:54配信

BuzzFeed Japan

「pixiv」に投稿された成人向け小説を題材に「有害表現」を分析する研究論文が人工知能学会で発表された。

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論文内では、個別作品のURLや作者名も明示されており「個人を特定できる形で示すのは問題があるのでは?」「本来ゾーニングされているものを取り上げ『有害』と批判的に取り上げるのはどうなのか」など批判が集まっている。

該当の論文は、立命館大学の研究者が発表した「ドメインにより意味が変化する単語に着目した猥褻な表現のフィルタリング」。

研究概要には以下のように書かれている。

<Web上に投稿される情報の中には青少年にとって有害な情報,特に猥褻な意味を持つ言葉は直接記述されず暗喩により表現されることが多い。本研究の目的は暗喩を用いて表現されている有害な文に対してフィルタリングを行うことである。

提案手法では有害表現が含まれる文をドメインごとに機械学習し有害表現の分類器を作り,有害表現をフィルタリングする。提案手法の有用性を評価する実験をR-18指定の小説を使い行った。>

論文は、人工知能が有害サイトのフィルタリングを学ぶ上での足がかりとすることを目的としたもの。

ある期間に投稿されたピクシブの「R-18」ジャンルの人気小説10作品(うち8作品がBL小説)の表現や内容を分析している。性的な表現をそのまま引用している箇所もある。

論文PDFは人工知能学会全国大会のWebサイト上に公開され、誰でも閲覧できる状態になっていた(25日朝に非公開化)。

「モラルを疑う」「ド派手な晒し」

この論文が、24日深夜から、Twitterを中心に話題に。

<は?立命館頭おかしいだろ。卑猥なワードをフィルタリングする学術目的とか言って同人作品のpixivのURLと作者名勝手にピックアップして大公開。大学が。大学が!!>

「実名でないとはいえ、個人を特定できる情報を不特定多数に晒すなんてモラルを疑う」「R-18指定しているものを『有害』と批判的に扱われても」など批判が殺到。

分析対象となった作品の作者の一人は「ド派手な晒しにあった気分」と作品の全体公開を取りやめ、今後の創作活動自体も「このまま続けるか考える」としている。

寄せられている主な批判としては、以下のようなものがある。

・固有のURLと作者名を明記し、個人と作品を特定可能にしていること
・本来、18歳以上でないと閲覧できない(ゾーニングされている)小説を「有害表現」として恣意的に取り上げ、不特定多数の目に触れる形で公開していること
・作者に無断で研究データとして使用していること(学術的引用として認められるのか)

pixivの利用規約では、禁止行為として「本サイト及び関連サイトにアップロードされている投稿作品の情報を、当該著作者(創作者)の同意なくして転載する行為」を明記している。

研究・教育利用は通常の著作権よりも広く認められており、「学術的引用」の範ちゅうとも捉えられる可能性はあるが、ユーザーの批判の多くは、モラルや倫理に即した部分にも向けられている。

<立命館の論文の問題は“無断で引用“したことじゃなくて“研究対象者のプライバシーと精神に危害を与えたこと“が一番で、その次に“明らかに調査目的に対して適切でないものを調査対象に選んだ上侮辱とも取れる発言をしたこと“だと思うんだよ……研究によって社会の信頼を損なったことになる…>

やおい、BLに関する著書もある社会学者の金田淳子さんは、Twitterで「他者が趣味の範囲で書いたものを実名でなくともその人と特定できる形で了承を得ず公表するのはまずい」「研究倫理的にかなり微妙だと思う」と指摘している。

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最終更新:5/25(木) 18:46
BuzzFeed Japan